地域別最低賃金改定がパート・アルバイト募集に与える影響
総合人材情報サービスを提供する株式会社アイデムが、2024年度の地域別最低賃金の改定に伴うパート・アルバイトの募集時の時給への影響について、詳細な調査・分析を行い、その結果を発表しました。これにより、新たな賃金の設定が働き手の募集にどのような変化をもたらすのか、注目されるところです。
調査の背景と目的
今回の調査は、当社が運営する求人メディア『イーアイデム』および採用ホームページ構築サービス『Jobギア採促』から得たパート・アルバイトの時給データを基にしています。改定が決定された2024年度の地域別最低賃金と比較し、現行の募集時の時給がどれほど影響を受けるかを探るための分析が行われました。
調査結果の概要
調査結果は都府県別、業種別、職種別に詳しくまとめられています。以下に主要な調査結果を示します。
都府県別の影響
東日本地域では、最も改定影響率が高いのは栃木県の56.6%でした。続いて神奈川県が54.0%、埼玉県が45.1%と続きました。また、茨城県、栃木県、静岡県の3県は、初めて地域別最低賃金が1,000円を超えることで影響が大きくなっています。一方、群馬県は985円で1,000円を超えないため、他の県に比べて影響は小さめです。
西日本地域では、京都府が53.5%で最も高く、次いで大阪府の49.4%、岡山県の46.6%となっています。こちらでも4割を超える影響を受ける県が多く、最低賃金が改定されていない地域でも賃金の見直しが必要な求人があるとされています。
業種別の影響
業種別の調査からは、小売業と飲食業が特に影響を受けやすいことが分かりました。小売業およびビル管理・警備業は各14都府県、飲食業は13都府県で改定影響率が4割以上に上るとしています。また、飲食業では5割を超える地域が13か所あったことから判断しても、業界全体が大きな影響を受けています。逆に教育・学習支援業や運輸業などでは、影響率が1割未満の地域も見られました。
職種別の影響
職種別に見ると、「ファッション・アパレル」、「販売・接客サービス」といった職種がともに15都府県で4割以上の影響を受けると報告されています。飲食・フードや清掃・警備・ビルメンテナンス・家事代行といった職種でも、同様に影響が大きいことが示されています。これらの職種は、比較的影響が強い領域に位置しており、労働者の募集において深刻な影響があることが分かりました。
調査の意義
この調査は、2024年10月以降に変更される地域別最低賃金がパート・アルバイトの報酬に与える影響を事前に予測するために行われました。調査を通じて、パート・アルバイトの雇用市場の動向が明らかにされ、企業側は適切な賃金設定を行う参考となるデータが提供されています。
まとめ
株式会社アイデムによるこの調査は、労働市場の変化に対する理解を深め、企業と労働者双方にとっての適切な対応策を講じる手助けとなるでしょう。今後の最低賃金改定が、パート・アルバイトの雇用にどう影響を与えるかは、地域経済においても重要な問題です。
企業情報
株式会社アイデムは1970年から人材サービスを提供し、「はたらく」を大切にした事業運営を行っています。現在、求人メディアに加えて、採用支援や雇用の動向に目を向けた情報提供も行っています。今後も地域の発展に寄与できるよう、さまざまなサービスを展開していく所存です。