中央アジアと日本の連携による森林火災対策の新たな取り組み

中央アジアとの連携強化

愛知県丹羽郡大口町に本社を置く株式会社ファイテックが、中央アジアプラットフォームにおいて重要な記録を打ち立てました。2025年12月19日から20日に開催された「中央アジア+日本」対話・首脳会合で、カザフスタン共和国の国営企業「カザヴィアレソオフラナ」と森林火災対策に関する協力覚書（MoU）に調印しました。この取り組みは、森林火災の早期鎮圧と被害の軽減を目指し、温室効果ガスの排出削減とカーボンニュートラルの実現に寄与することを目的としています。

森林火災問題の深刻化

カザフスタンは広大な森林や草原を抱える一国ですが、近年の気候変動の影響を受けて森林火災の発生が頻繁になってきています。これにより、森林資源の喪失や二酸化炭素排出量の増加が深刻な国家課題として浮上しています。森林の消失は、二酸化炭素吸収源を失わせ、気候変動を加速させる要因ともなっています。このような背景を受け、カザフスタン政府は森林火災の予防と早期消火体制の強化を新たな重要政策として位置付けています。

ファイテックの技術力

ファイテックは、消火剤や消火システムの開発に特化した企業であり、高効率かつ環境に優しい消火技術に強みを持っています。このMoUに基づき、両者は以下の重要な項目で協力を進めていくことになります：

1. 環境負荷の少ない林野火災用消火システムの現地フィールド実証
2. 森林火災の早期鎮圧と被害軽減効果の検証
3. 航空消火を含む技術評価と実運用のシミュレーション
4. 将来の本格導入に向けた知見の蓄積

JICAとの連携による取り組み

このプロジェクトは、国際協力機構（JICA）の支援を受けたもので、カザフスタンにおける森林火災の早期消火に向けてのニーズ調査を通じて実現しました。この調査では、現地の課題やニーズを整理し、適切なアプローチを確認することで、協力関係を築く基盤を固めました。さらに、2025年度の「森林火災用消火剤のビジネス化実証事業」にも採択され、持続可能な運用の仕組みを確立することが期待されています。

森林火災対策への貢献

ファイテックとカザビアレソオフラナは、連携を深めることで森林火災対策を向上させ、具体的なカーボンニュートラルの実現に貢献することを目指しています。ファイテックの消火剤「FOREST DEFENDER」は、森林火災に特化した次世代型の消火剤として、高い環境へのやさしさを兼ね備えています。水で希釈するだけで強力な消火効果を発揮します。また、ヘリコプター用消火剤注入システム「FEI」は、迅速かつ正確な消火剤の注入を可能にし、空中消火の新しいスタンダードを提供しています。

未来への展望

この取り組みは、中央アジア地域全体の森林火災対策の進展だけでなく、他の国々に対する技術の横展開や国際的な事業展開にもつながる可能性を秘めています。ファイテックは、これらの努力を通じて、日本の民間技術が地球規模の問題解決に寄与することを目指しています。持続可能な社会の実現に向けて、ファイテックは今後も誠実に事業を推進していく所存です。実証実験の進展に関しては随時発表される予定です。