中央アジアと日本の連携による森林火災対策
愛知県丹羽郡の株式会社ファイテックは、2025年12月に開かれた「中央アジア+日本」対話・首脳会合において、カザフスタン共和国の国家機関であるNCCP(民間防衛分野における国立科学研究・訓練・教育センター)との協力覚書(MoU)を締結しました。この取り組みは、気候変動の影響で高まる森林火災リスクへの国際的な対応を目的としています。
環境保全と人命保護の両立
MoUの締結は、気候変動がもたらす森林火災の危険性が増している中でのものです。カザフスタンを含む中央アジアは広大な森林地帯を有する一方、異常気象により森林火災の頻発が懸念されています。ファイテックはその防災技術を用いて、環境保全と人命保護の両立を目指す国際的な取り組みを進めています。
持続的な協力の枠組み
本会議での署名は、日本政府が重視する国際協力の一環として実施されたもので、中央アジアとの連携強化を狙いとしています。ファイテックとNCCPは、協議や相互訪問を通じて消防と森林火災対策における共通の課題を共有し、持続的な協力関係の構築に合意しました。
MoUに基づく具体的な協力内容
このMoUに基づき、両者は以下の分野にわたる協力を行います。
1. 消防・防災および森林火災対策に関する研究
2. 消火技術と消火剤に関する情報共有
3. 消防技術デモンストレーションおよび実証活動
4. 専門家の交流と研修
5. 日本の技術を活かしたパイロットプロジェクトの検討
これにより、森林火災の被害抑制と環境負荷の低減、安全の確保を同時に実現しようとしています。具体的な活動の内容は今後の協議により策定される予定です。
JICAとの連携によるプロジェクト推進
ファイテックは、独立行政法人国際協力機構(JICA)による支援を受けながら、カザフスタンにおける森林火災対策のニーズ確認調査を行い、その結果を踏まえた具体的なアプローチを検討しています。今後、持続可能な運用システムを確立し、森林火災の早期鎮圧と被害低減に寄与するモデルの構築を目指しています。
森林火災対策技術「FOREST DEFENDER」
ファイテックは、「FOREST DEFENDER」と呼ばれる新しい消火剤を開発しました。この製品は、水で希釈して使用することで高い消火効果を発揮し、延焼防止に貢献します。環境への配慮から、PFAS(有機フッ素化合物)を含まない成分で構成されており、安全性も高いとされています。
また、消火剤注入システム「FEI(Fitech Easy Injection)」を搭載したヘリコプターにより、迅速な空中消火が可能であり、陸上自衛隊でも使用されています。
今後の展望
ファイテックは、消防・防災分野から都市型インフラまで広がる技術開発を進めており、国際社会への貢献を目指しています。国際的な協力を通じて、地球規模の環境問題に立ち向かう取り組みは、ますます重要になるでしょう。今後も、持続可能な社会の実現に向けて努力し続けるファイテックの動向に注目が集まっています。