北三陸ファクトリー、インパクトスタートアップ協会に正会員加入
株式会社北三陸ファクトリーは、岩手県九戸郡洋野町に本社を置く企業で、海洋環境を再生しつつ経済的価値も創出することを目指して、インパクトスタートアップ協会(ISA)に正会員として加入したことを発表しました。この取り組みは、同社が推進する「海洋環境再生と経済的価値創出の両立」という目標に強く関連しています。
ISA加入の背景と目的
北三陸ファクトリーは、うにの再生養殖事業を通じ、環境と経済が共存可能な社会の実現を目指しています。ISAが掲げる「社会課題の解決と持続可能な成長」という理念と共鳴し、この協会に参加することで多くの企業と共に協力し、社会によりポジティブな影響を与えていくことを期待しています。
磯焼けとその影響
「磯焼け」とは、海藻の生息域の減少により海が荒廃する現象で、魚の産卵場が失われることから、世界中で深刻な問題となっています。うにの食害がこの現象の一因であり、各地ではうにの駆除作業が行われていますが、駆除されたうにの多くは市場に出回ることもなく、廃棄される運命にあります。駆除そのものとその後の処理コストが問題を複雑にしているのです。
「UNI-VERSE systems®」の開発
北三陸ファクトリーは、北海道大学と協力し、「UNI-VERSE systems®(ウニバースシステム)」を開発しました。このシステムは、駆除されたうにを短期間で高品質な製品に変えることが可能で、消費者がそのうにを購入することで、磯焼けの問題解決にも貢献できるサイクルを実現しています。具体的には、うに専用の餌や、うにが食べないカゴ、そして非破壊での実入り計測技術など、複数の特許技術が組み合わさったものです。
オーストラリアでの展開
北三陸ファクトリーは2023年にオーストラリアに現地法人「KSF Australia」を設立し、さらにタスマニア州の地元企業と共同で「Tasmania Blue Seafood」を立ち上げました。ここでは、現地の環境に合わせた技術開発を進めており、この取り組みを通じてオーストラリア国内のみならずアジア市場への輸出も視野に入れています。これにより、持続可能な水産業モデルを全球規模で展開することを目的としております。
インパクトスタートアップ協会について
インパクトスタートアップ協会(ISA)は、2022年に設立された団体で、社会課題の解決と持続可能な成長の両立を目指しています。現在、327社の正会員が参加しており、これらの企業が共通の目的に向かって連携を強化しています。今後も北三陸ファクトリーは、協会との協力を深めながら活動を続ける予定です。
会社の概要
北三陸ファクトリーは、1850年から続く商業漁業の伝統を受け継ぎながら、持続可能な水産業の未来を築くことを目指して活動しています。高品質なうにのブランドを展開し、河川から海へ、そして世界へと繋がる持続可能なシーフードの提供に努めています。今後もさまざまな方面での取り組みが期待されます。
公式なWebサイトでは、最新の情報やプロジェクトの進捗も随時公開していますので、ぜひ一度訪れてみてください。
北三陸ファクトリー公式サイト。