岩手大学とNTT Comが新たなAI講義を開講
岩手大学とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が共同で「データサイエンス実践基礎」という新しい講義をスタートさせます。この講義は、主に農学部の学生や大学院生を対象とし、AI技術を習得するための実践的なプログラムです。講義は2024年11月8日から開始され、NTT Comが開発したノーコードAI開発ツール「Node-AI」を活用して、難しいプログラミングなしでデータサイエンスやAIに関する知識が得られる構成になっています。
実施の背景
岩手大学では最近、農業や畜産業においてデータサイエンスやAIのスキルが求められている現状を反映し、2024年6月には農学部附属の教育研究センターが設立されました。これに伴い、これまでの経験則に頼ったプロセスから脱却し、科学的なデータ分析が重要視されるようになっています。しかし、農業界でデータサイエンスを活用できる人材の育成が遅れており、教育の充実が求められていました。そこで、NTT Comは「Node-AI」というツールを使用し、学生が実際にAIを使って問題解決に取り組む機会を提供することとなりました。
講義の内容
この講義では、座学とハンズオン演習が組み合わさっています。前半の10回は、機械学習の基本概念やデータ分析手法を学び、後半の4回では小グループでのプロジェクトベースの学習(PBL)を行います。実践的なデータ分析演習では、実際のデータを用いてプロジェクトを進行し、データの可視化やモデルの評価を通じて理解を深めます。これは、学生が理論だけでなく、実際の課題解決能力を培うことを目指しています。
将来の展望
岩手大学はこの講義を通じて、より多くの学生にデータサイエンスの実践的なスキルを提供し、地域社会に貢献できる人材を育成することを目指しています。また、NTT Comは全国の教育機関に対してもデータサイエンティスト育成プログラムを展開し、データを活用した社会課題の解決に寄与していく予定です。このように、両者は連携して次世代のAI技術を支える人材の育成に力を入れていきます。
これは農業や地域創生などの分野においても、新しいアプローチと知識をもたらすものと期待されており、将来的に社会においても大きな影響を与えるプロジェクトとなるでしょう。