アミロイドβペプチド分析
2023-04-04 10:00:02
LC-MSによるアミロイドβペプチドのラセミ化・異性化分析法の開発:アルツハイマー病研究の進展に貢献
アルツハイマー病研究の新たな突破口:LC-MSを用いたアミロイドβペプチドのラセミ化・異性化分析法
アルツハイマー病は、加齢に伴い発症する認知症の代表的な疾患であり、その原因としてアミロイドβ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の凝集が注目されています。Aβは脳内に蓄積し、神経細胞の死を引き起こすことで認知機能の低下につながると考えられています。
近年、Aβ中の特定のアミノ酸のラセミ化や異性化が、アルツハイマー病の進行に深く関与していることが明らかになってきました。これらの構造変化は、Aβの凝集を促進し、細胞毒性を高める可能性が示唆されています。しかし、従来の分析手法では、Aβ中のアミノ酸のラセミ化や異性化を正確に検出することが困難でした。
ナカライテスク株式会社は、この課題を解決するため、独自のキラルラベル化剤を用いたLC-MS分析法を開発しました。この手法により、Aβ中のアスパラギン酸のラセミ化と異性化を、高感度かつ高精度に検出することが可能になりました。
従来の分析法の限界と新手法の革新性
従来、Aβのラセミ化や異性化を分析するためには、キラルカラムや他の光学分割ラベル化剤を使用する必要がありました。しかし、これらの手法では、Aβ中の特定のアミノ酸のみを分離することが難しく、正確な分析を行うことが困難でした。
ナカライテスクが開発した新手法は、汎用性の高いC18カラムを用いてLC-MS分析を行うため、従来の手法に比べて簡便で迅速な分析が可能です。さらに、独自のキラルラベル化剤を使用することで、Aβ中のアスパラギン酸のラセミ化と異性化を正確に識別することができます。
アルツハイマー病研究への貢献
この新手法は、アルツハイマー病の早期診断や病態解明に大きく貢献すると期待されています。具体的には、以下のような応用が考えられます。
アルツハイマー病のバイオマーカーの開発
アルツハイマー病の早期診断
アルツハイマー病の発症メカニズムの解明
新規治療薬の開発
さらに、この技術は、他の疾患に関与しているタンパク質やペプチドのラセミ化や異性化の同定にも応用可能であるため、様々な分野の研究に貢献することが期待されます。
ナカライテスク株式会社について
ナカライテスク株式会社は、1846年の創業以来、研究開発を支える試薬や機器の提供を行ってきました。国内最大級の試薬・機材掲載数を誇る研究支援オンラインカタログ「e-Nacalai Search Version」を提供し、医療、生命科学、エネルギー、材料工学など、幅広い分野の研究者を支援しています。
ナカライテスクは、これからも研究開発を支援する製品と技術を提供し、社会の発展に貢献していきます。
会社情報
- 会社名
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ナカライテスク株式会社
- 住所
- 京都市中京区二条通烏丸西入東玉屋町498番地
- 電話番号
-
075-211-2516