妊産婦を救う医療
2012-03-08 12:18:22

国際女性デーに考える、妊産婦を救うための医療拡充の重要性

世界中の妊産婦を守るための取り組み



3月8日は国際女性デー。世界各地で女性の権利や地位、特に妊産婦の命を守るための取り組みに注目が集まる日でもあります。今年、国境なき医師団(MSF)は、妊産婦の命が脅かされる現状についての報告書を発表し、特に救急産科医療の必要性を訴えています。

妊産婦の現状



報告書によると、現在も多くの妊婦が出産時に生命の危険にさらされています。特に、パキスタンやソマリア、南スーダン、ハイチなど、MSFが活動する12カ国では、緊急医療ケアが行き届かない地域が多いため、妊婦が合併症を発症するとその後の治療が難しくなります。MSFは、これらの国々における妊産婦の危機的な状況を分析し、合併症に遭遇した際の救急医療の提供が急務であると強調しています。

妊産婦の命を救う医療の必要性



MSFの婦人科医療顧問、カーラ・ブラックバーン氏は、世界中で妊娠中の女性の15%が命に関わる合併症を抱えていると指摘しています。こうした緊急事態に適切な医療が行われない限り、どれだけの技術や資源があっても死亡リスクは改善されないのです。ブラックバーン氏は、「いかなる状況下であっても、適切な医療が不可欠です。これは発展途上国か先進国かは関係ありません」と述べています。

日々の死者数



WHOのデータによれば、現在、毎日約1000人の女性が分娩や妊娠合併症により命を落としています。この悲劇は、必要な医療体制や資源が整えば防げるものであり、救急産科医療へのアクセスを確保することが急がれています。

妊産婦の死亡が多く発生するのは、主に出産の直前や最中、あるいは直後に起こる予測不能な合併症です。分娩は母子両方の命を救ううえで極めて重要な局面であり、そのための支援が何より求められています。MSFは緊急医療を提供する団体として、こうした危機的状況においての妊産婦死亡率の低下に尽力しています。

努力と支援を拡大するMSF



MSFの活動は、約30カ国にわたり広がっています。2010年には、同団体のスタッフが15万件以上の分娩介助を実施しました。国際女性デーにおいて、私たち一人ひとりがこの重要なテーマについて考えることが、未来の医療支援につながるのではないでしょうか。

ブラックバーンは、「出産時に適切な医療を受けることで妊産婦の命は守れることを認識すべきです。しかし、現実には多くの妊産婦が命を落としています。この状況を変えていく必要があります」と結論づけています。

国際女性デーには、母と子の命を救うため、私たちがどのように支援できるのかを考え、行動することが求められています。私たちの意識が変化すれば、さらなる医療の拡充につながるかもしれません。これからも注目し続けていく必要があります。

会社情報

会社名
国境なき医師団(MSF)日本
住所
東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123

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