日立グループがデジタル技術を駆使した未来医療ショールームを開設
2023年、日立グループは大阪府に新たなショールーム「Nakanoshima Qross」を公開しました。ここでは、医薬・再生医療のバリューチェーン全体に渡る課題解決を目指した最新の製品や技術が体験できます。この施設は、一般財団法人未来医療推進機構が運営し、日立製作所と日立プラントサービスが中心となって取り組んでいます。
新たなショールームの主なポイント
ショールームは「Hitachi Advanced Technologyエリア」と「協創コミュニケーションエリア」の二つに分かれています。Hitachi Advanced Technologyエリアでは、細胞製造や再生医療に関連する数々のテクノロジーを直に触れ合うことができます。展示されている内容は、細胞製造シミュレーション、再生医療統合管理プラットフォーム、製造・品質管理システムなど、多岐にわたります。
細胞製造に関するテクノロジー
ここでは、日立の細胞製造シミュレーションを利用したプロセス開発支援サービスが注目されています。このサービスは、製品の品質向上や製造効率を高めることを目的とし、大阪大学との共同研究を通じて進化を遂げています。また、再生医療製品のトレーサビリティを確保するためのプラットフォーム「HVCT RM」により、細胞の採取から患者への投与の各段階での情報管理が可能となっています。これにより、業界全体の業務効率が向上すると期待されています。
さらに、医薬向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」も導入されており、製造工程の可視化やデジタル化が進みます。このシステムは、様々なデータを一元管理し、効率的な業務運営を実現します。日立プラントサービスのCCS支援サービスも展示されており、数値データをタブレットでデジタル管理できるため、記録の自動化が進められます。
先端設備の紹介
ショールームでは、国内初の細胞自動培養装置「iACE2」も導入されています。この装置は、iPS細胞の自動培養を実現し、品質の高い細胞を提供します。施設内には細胞培養用キャビネットも設置されており、クリーン環境を維持しながらの実験が可能です。
協創コミュニケーションエリア
協創コミュニケーションエリアでは、VR体験や各種セミナーが展開され、参加者はさまざまな情報を得ながら新しいアイデアの創出を促進できます。これは、業界の最新情報を共有し、共同の研究開発を進めるための重要なコミュニケーションの場でもあります。
背景と目的
近年、バイオ医薬品や再生医療研究が加速する中、日立は多岐にわたるOTやITシステムを通じてニーズに対応してきました。このショールームの開設により、パートナーや業界団体との協働が一層進むことが期待されています。これにより、MEDICAL・REGENERATIVE MEDICINEの分野におけるデジタル技術を最大限活用し、医療の未来を次のステージへと引き上げることが狙いです。
日立グループは「One Hitachi」で連携し、医薬・再生医療分野の課題を解決し、人々の健康で豊かな生活に寄与することを目指しています。ショールームへの訪問は予約が必要で、平日9:00から17:00まで開館しています。興味のある方は、日立の営業担当者やショールーム窓口に連絡してみてください。日立が未来医療においてどのような役割を果たすのか、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。