小田原蒲鉾とその原材料
日本を代表する伝統的な魚加工食品の一つである蒲鉾。特に小田原蒲鉾は、厳選された素材と独自の製法で作られており、多くの人に愛されています。その主原料となるのが「グチ」という魚です。この魚は、蒲鉾の生産地である相模湾周辺で昔から親しまれてきました。
本来、蒲鉾は相模湾で捕れる沖ギスや小ムツが使われていた時代もありましたが、漁獲量が減少する中で、明治40年代から新たにグチがその座を担うようになりました。大正時代にはその使用が定着し、今日では特に高級蒲鉾にはグチが多く用いられるようになっています。
山上蒲鉾店の特徴
山上蒲鉾店では、特に質の良いグチを使用し、その美味しさを徹底的に追求しています。創業者の上村和吉が済州島沖のグチに目をつけて以来、同店の蒲鉾作りは一貫してグチを主原料として続けています。このこだわりがあるからこそ、他の蒲鉾と一線を画す美味しさが生まれるのです。
海域により異なるグチの特性
グチはその捕れる海域によって身質や味に違いがあります。済州島沖で獲れたものは通常、しなやかさと弾力が優れ、脂の量も多いことで知られています。一方、南方で捕れるグチは身質が粗く臭みが強くなるため、選定には細心の注意が必要です。このような違いを理解し、適したグチを選び抜くことで、山上蒲鉾店は他にはない高品質の蒲鉾制作を実現しています。
グチの漁獲時期と鮮度
春から夏にかけての産卵期を過ぎた9月から5月の間に獲れたグチが特に美味しいとされており、山上蒲鉾店ではこの時期に漁獲された新鮮なものを仕入れています。産卵直後のグチは身質が悪化してしまうため、使用を避け、最良の状態で入手したグチのみを使用するという徹底したこだわりがあります。
魚体の選別基準
さらに、グチのサイズも蒲鉾の品質に大きな影響を与えます。山上蒲鉾店では「小白(こしろ)」や「大豆白(だいまめしろ)」と呼ばれるサイズのものを選び抜き、これが上質なすり身の材料として最も適しています。特に、魚の大きさに応じた選別基準を設けることで、品質のばらつきを最小限に抑えています。
自社製造へのこだわり
また、山上蒲鉾店は、グチを仕入れた後、すり身を自社で作っています。この工程は、仕入れたグチの質を最大限に引き出すために不可欠です。一番肉と二番肉を使い分け、それぞれの特性に応じた製品を作ることで、蒲鉾の美味しさを確保しています。もちろん、すり身の水晒しの工程にも細心の注意を払い、脂の量によって微細に調整しています。
まとめ
厳選されたグチを活かした蒲鉾作りは、単に原材料にこだわるだけでなく、全ての工程に神経を配わなければ生まれません。山上蒲鉱店は、これらのプロセスを通じて、最高品質の蒲鉾を世に送り出しています。
商品情報
原材料にはグチを100%使用
価格:6,480円(税込)
ウェブサイト:
山上蒲鉾店