新たな治療法の登場
アミカス・セラピューティクス株式会社が成人の遅発型ポンペ病を対象とした新しい併用療法「ポムビリティ®点滴静注用105mg」と「オプフォルダ®カプセル65mg」を発表しました。これにより、ポンぺ病の患者さんに新たな治療の選択肢が提供されることになります。
ポンペ病とは?
ポンぺ病、あるいは糖原病II型は、遺伝子の突然変異による希少疾患です。この病気は、ライソゾーム内のグリコーゲンの分解に関与する酸性α-グルコシダーゼ(GAA)という酵素の機能障害によって引き起こされます。この酵素の不具合により、細胞内にグリコーゲンが蓄積し、結果的に筋力や運動能力、さらには肺機能の低下を招きます。
世界でのポンぺ病患者数は5千人から1万人とされ、日本国内では134人と推定されています。この病気に苦しむ方々にとって、新たな治療法の登場は朗報となることでしょう。
新規併用療法の特徴
「ポムビリティ」と「オプフォルダ」は、成人の遅発型ポンぺ病に対して新しい経口剤と点滴静注剤の併用療法としての効果が期待されています。ポムビリティは遺伝子組換えによるヒト酸性α-グルコシダーゼ製剤で、糖鎖の付加により細胞内への酵素取り込みが促進されます。一方、オプフォルダは経口剤であり、ポムビリティの活性を安定化させる役割を果たします。これにより、細胞への取り込み量の増加が期待されます。
両剤の併用によって、特に筋組織におけるポンペ病の主要な貯蔵物質であるグリコーゲンの減少が期待されます。
臨床試験の結果
臨床試験「ATB200-03」および「ATB200-02」においても、ポムビリティとオプフォルダの併用療法は有望な結果を示しました。
- - ATB200-03試験:6分間歩行テスト(6MWD)において、併用群は20.6mの増加を達成。また、座位努力性肺活量は-0.93%という結果に。
- - ATB200-02試験:48か月で6MWDは30.4m増加し、努力性肺活量では3.9%の改善が見られました。さらに、下肢および上肢の筋力も安定または改善が確認されました。
副作用について
一方、ポムビリティには重大な副作用として、投与中または投与終了後数時間以内に発生することがあるインフュージョンリアクション(頭痛、発熱、悪寒、悪心、蕁麻疹、そう痒症など)が報告されています。これらの症状については、適切な管理が必要です。
嬉しいニュース
アミカス社のブラッドリー・L・キャンベル社長は、「日本の希少疾患の患者に新しい製剤を届けることができ、大変光栄」と述べ、今後も治療法の拡充に努める意志を示しました。これにより、多くの患者さんが改善の道を歩むことが期待されています。
まとめ
新しい併用療法としてのポムビリティとオプフォルダは、ポンペ病に苦しむ患者に希望の光をもたらすものです。今後の治療効果に期待し、患者さんのQOL(生活の質)の向上につながることを願っています。詳細については、アミカス・セラピューティクス社の公式ウェブサイトもご覧ください。