東急、渋谷で新たな水循環システムを導入
東急株式会社とそのパートナーである株式会社長大、東建産業株式会社は、環境保護と持続可能な社会の実現を目指し、渋谷のオープンイノベーションラボ「SOIL」で新たな水循環システムを導入しました。このシステムは、複合発酵技術を駆使して、水の使用量を削減し、循環型社会への一歩を踏み出すものです。
水不足への挑戦
ユネスコによると、2050年には世界の50億人が水不足に直面すると予測されています。この深刻な問題を受け、東急は「環境ビジョン2030」を策定し、2030年までに水使用量を10%削減する目標を掲げています。この取り組みは、水資源を有効活用することで、持続可能な未来に向けた強い決意を表しています。
実証実験の成果
2023年より、沖縄県宮古島市にある東急グループの「まいぱり」施設で実施された実証実験において、安定的な稼働が確認されました。この結果から、都心での水循環システムの稼働も信頼性が高いとされています。このシステムでは、トイレやキッチンから出る汚水を複合発酵技術を用いて浄化し、再利用可能な水として活用します。この方法により、化学薬品を使用せずに微生物の力で水を浄化するため、環境に優しい廃水処理が実現可能です。
安定した水質管理
SOILでのシステム運用目的は、汚水排出量、再生可能量、再生水の使用量のバランスを安定的に保ちつつ、利用環境に応じた柔軟な管理が可能なシステムを構築することです。定期的に行われる水質検査により、高水準の水質が維持されていることが確認され、運用の信頼性向上に向けたエビデンスが蓄積されていく予定です。
東急の未来のビジョン
今回の取り組みを通じて、東急は企業として社会における責任を果たし、持続可能な循環型社会のモデルを示していく考えです。新技術を取り入れたシステムの展開により、まちづくりの一環として環境保護に貢献する姿勢が顕著に表れています。将来的には、東急線沿線を含む様々な施設への導入を目指し、持続可能なビジョンの実現に向けて積極的に取り組んでいく意向です。
SOILの役割
SOILは、様々な分野のプレーヤーがつながり、新たな技術やアイデアを育む場として、地域社会や日本全体にプラスの影響を与えることを使命としています。2025年にはさらなるリニューアルを計画しており、地域との連携を深めながら、新たな社会実装の場としての役割をさらに強化していく見通しです。
結論
東急が導入した水循環システムは、環境保護の新たなステージに向けた象徴的な取り組みです。技術革新を通じて、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。今後の展開に目が離せません。