一建設、未来の建築士を育成する取り組み
2025年10月10日、一建設株式会社は、宮城県白石工業高等学校の建築科1年生35名を対象とした「木造住宅の建築現場見学会」と「住宅設計体験会」を開催しました。このイベントは、建設業界の未来を担う若者に向け、実際の現場を見学し、設計手法を学ぶ貴重な機会となりました。
参加の背景と意図
国土交通省のデータによれば、建設業の就労者数は1997年以来約30%減少しています。特に団塊世代の退職が進む2025年には、さらなる人手不足が予測されています。この課題を解決するためにも、次世代の技術承継が重要です。そのため、一建設は高校生に実地指導することを選択しました。
本イベントは、Z世代の建築科生徒たちが実際の住宅建設プロセスを体験し、デジタル化の進む建築現場について学ぶことを目的としています。学生たちは最新のツールや技術に触れ、業界の未来に興味を持つきっかけとなることを期待されています。
見学会の内容
見学会は、建築中の木造住宅の現場からスタートしました。開会の挨拶の後、一建設は熱中症対策としてファン付きウェアや塩タブレットを学生に支給し、現場環境への配慮がなされていることを紹介しました。実際の住宅では、基礎工事や躯体工事の詳細が説明され、高校生たちはOBである社員大工の阿部氏から安全な工具の使い方を学びました。
生徒たちはビス打ちなどの実技に挑戦し、自分たちの手で建築作業を体験。さらに、施工管理アプリ「ANDPAD」を使った業務についてもオリエンテーションが行われました。現場監督の伊藤氏がデジタル技術の活用について説明し、若者の関心を引きました。
設計体験会の概要
見学会の後は、住宅設計体験会が実施されました。一建設の設計部門の社員が、住宅設計の仕事内容を詳しく説明。学生たちは3D CADを使用して自分の理想の平屋住宅を設計し、方眼紙に図面を描く実践を行いました。参加者の中から5名が自作の図面を発表し、自分のアイディアを形にする喜びを体感しました。
学生たちの感想
参加した学徒たちは、この貴重な体験を通して、建築業界に対する理解が深まったと口を揃えました。ある生徒は「OBから働き方を直接聞けたのは貴重な経験でした。特に、工具の使い方を学べたことはとても役立ちました」と語り、また別の生徒は「自分の理想を設計する作業は楽しく、考える難しさと面白さを実感しました」との声が寄せられました。
結論
一建設の取り組みは、未来の建築業界を支える若者を育成する重要なステップです。生徒たちが実際の現場で多様な経験を積むことで、今後の人材不足問題の解消に寄与することが期待されます。企業が地域の教育機関と連携し、次世代を育てる取り組みが広がることをシンプルに願っています。