琴平バス、デジタルノマド誘致へ国際連携
琴平バス株式会社が、来年で創業70周年を迎えるのに合わせ、国際的なデジタルノマド誘致を本格化させると発表しました。琴平町を拠点とする同社は、タイ・チェンマイのコリビングスペース「Alt_」を運営するColiving Concept社と提携し、デジタルノマドのための長期滞在プログラムを開始します。この取り組みは、地域の観光や経済を新たな形で支え、琴平町を「デジタルノマドの聖地」として位置づけることを目指しています。
地域の歴史と現状
琴平町は、江戸時代から「こんぴら参り」として知られ、全国から多くの旅人を迎えてきました。しかし、現在は人口の減少や観光客数の減少が深刻な問題となっています。観光客数は2019年には約260万人へと落ち込み、さらには将来的な人口の半減も予測されています。これに対処するため、従来の観光依存型からの脱却が求められているのです。
デジタルノマドの可能性
その解決策の一環として注目されたのが、デジタルノマドの誘致です。デジタルノマドは仕事をしながら長期間滞在し、地域に深く関わる形で旅をします。観光客とは異なり、安定した経済効果や持続的な交流が見込まれる点が特徴です。琴平町の伝統を活かす形で、現代的な旅人たちを受け入れることが、新たな文化を育てる鍵となります。
プログラムの概要
この度の「Alt_Kotori Digital Nomad Program」は、2025年11月10日から12月10日までの1か月間、琴平町内の「コトリ コワーキング&ホステル」を拠点に実施されます。このプログラムには、マインドフルネスを通じて自身の生産性を高めるためのワークショップや、地域住民との交流活動が含まれています。毎週のワークショップで自己理解を深め、地域の文化を学ぶ機会を提供します。また、最終週には善通寺でのお遍路体験も予定されており、旅を通じてさらなる自己内省を促す内容となっています。
コトリ コワーキング&ホステルの魅力
琴平町にある「コトリ コワーキング&ホステル」は、2024年にオープン予定で、コワーキングスペースと宿泊施設が一体となっています。ここでは、高速Wi-Fiや会議室を完備し、仕事をしやすい環境を提供。また、金刀比羅宮や周辺の観光名所へのアクセスも便利で、地域住民とのコラボレーションが盛んに行われているため、多様な出会いや交流の場になります。
琴平バスの展望
琴平バスの代表取締役社長、楠木泰二朗氏は、この取り組みを通じて地域の歴史と文化を広め、海外からの認知度を高めることの重要性を述べています。国際的な「関係人口」を創出し、琴平町を活性化させるこのプログラムは、地方創生のモデルケースとして期待されています。
まとめ
琴平バスのデジタルノマド誘致プロジェクトは、地域の未来を見据えた新たな挑戦です。観光地としての伝統を守りつつ、国際的な交流を促進することで、琴平町の価値を高めていく計画は、地域活性化の新たな形として注目を集めています。この機会を通じて、多くの人々が琴平町とその文化に触れることで、地域の持続可能な発展に貢献できることを期待しています。