免税手続きのデジタル革命を目指すPie Systems
米国カリフォルニア州に本社を置くPie Systems Inc.が、旅行者向け免税手続きサービスのデジタル化を進める新たなステージに突入しました。今回、同社はシリーズAラウンドで1,550万米ドル(約23億円)の資金を調達し、自社のソリューション「PIE VAT」のさらなる展開を予告しています。この資金調達により、日本を起点に欧州やアジア市場への展開を加速させる狙いです。
免税制度改正に伴う市場の変化
新型コロナウイルスの影響を受けた訪日外国人旅行者数が急速に回復しており、2025年には前年同時期に比べ約21%増の2152万人に達する見込です。また、2026年11月には免税制度が大きく見直され、旅行者が購入時に消費税を立て替え、後に返金を受け取る「リファンド方式」が義務になる予定です。この改正は、小売業界において新たな課題を生むと考えられています。Pie Systemsはこの制度変更に早々と対応し、業界トップクラスの経験を生かして観光デジタル体験の向上を図っています。
PIE VATの特色
Pie Systemsが開発した「PIE VAT」は、従来の書類手続きや待機時間の煩わしさを解消し、旅行者がスマートフォンで簡単に免税申請を行えるプラットフォームです。リファンド方式にも対応するため、制度変更の際も柔軟に運用可能です。また、免税販売の店舗にとっても経済的な負担が少なく、スムーズな導入と運用を実現しています。
- - 旅行者にとっての利点: スマートフォンで手続きが完結し、店舗や空港での待機時間を大幅に削減。
- - 店舗への影響: 初期コストがかからず、既存のデバイスで導入可能。税務申請も代行し、店舗負担を軽減。
- - データ活用: 旅行者の使用データを使ったダッシュボード機能やクーポン配信機能があり、集客効果も期待できます。
資金調達の狙い
今回の資金調達には、Builders VCやCoral Capitalなどの投資家が参加。これを機に、「PIE VAT」のプロダクト強化や国内市場での推進速度を上げる計画です。さらに、エンジニアの採用を拡大し、運用体制の強化も図るとのことです。国際的な展開も視野に入れ、特にヨーロッパや東南アジア市場への進出が期待されています。
CEOのコメント
「旅行・観光産業には多くの非効率がある」とCEOのSunny Longは語ります。旅行者の免税手続きは未だに複雑な過程ですが、Pie Systemsはこの問題に向き合い、旅行者体験の向上を目指します。また、日本法人の水野博商CEOは、日本市場特有のビジネスモデルにも着手し、旅行者にとって安心で使いやすい免税体験を提供する意向を示しました。
今後の展望
Pie Systemsは、引き続き日本市場での存在感を高めつつ、欧州展開や越境ショッピングデータの活用に向けて邁進していく予定です。観光業界に新たな価値を提供し、持続可能なサービスの構築を目指す姿勢は、今後の動きに注目が集まるでしょう。