従業員エンゲージメント研究会での取り組み
2023年9月26日、株式会社宣伝会議は東京・表参道のセミナールームで「従業員エンゲージメント研究会」の第2回会合を開催しました。この研究会では、従業員のエンゲージメント向上を目指し、HR戦略とEmployee Experience(従業員体験)について議論が展開されました。
目的と前回の振り返り
本研究会は、第一回の会合で共有された「従業員体験向上への課題」に基づき開催されました。参加者は、経営者と従業員の理解におけるギャップ、社内への理念浸透の不足などの問題に共通の認識を持ちました。これを受け、第2回では「自分事化」をテーマにグループワークが行われました。
グループワークの内容
グループワークでは、以下の2つのテーマが設定されました:
1. 従業員体験の自分事化を促す手段、目的、課題
2. 成長実感を与えるための手法
具体的な議論では、個人が希望する姿と会社のビジョンを結ぶ手段について論じられました。それにより自分事化が進むであろう事例も挙げられ、例えば、業績評価とキャリアプランの面談を一体的に実施することで、個々の業績目標と組織のビジョンをリンクさせる方法が提案されました。
理解確認の重要性
企業のパーパス(目的)を従業員が自身の業務に落とし込んで理解することが、エンゲージメント向上に不可欠です。また、経営者がパーパスを情熱を持って語ることが、社員の心に響く要因であると論じられ、表彰制度の見直しも必要とされました。
ターゲティングと手段
「自分事化」を進める対象を明確にすることが重要です。全従業員を対象とするのか、選択的になるのか、成長やイノベーションを後押しするために最適なターゲットを選定するべきです。社長が全社員を対象とした方針説明会を開催し、経営ビジョンを浸透させることが手段の一つとして挙げられました。
表彰制度の課題
多くの業種で表彰制度は存在しますが、その形骸化が心配されています。表彰制度は業種によって適切な形が異なり、何のために表彰が行われるのかという目的の再確認も必要です。日常のマネジメントを通じて、成長実感を与える取り組みが重要であるとの意見も多く聞かれました。
持続可能な施策
本当に効果的な施策では、社員とのタッチポイントをどう設計するかが大きな課題です。単発の施策ではなく、持続的な取り組みをいかにして実施するかが問われています。具体的には、経営者と社員のディスカッション機会を設け、自社に対する想いや理解を深めさせる方法が効果的とされています。
SNS利用の活用
さらに、従業員の取り組みをSNSでオープンにすることでモチベーションを高める施策も考案されています。表彰制度は社員のアウトプットを重視し、組織の枠を超えた取り組みを称賛する必要があります。
まとめ
「自分事化」は、従業員が自らの業務を主体的に捉えることが重要です。本社の社員が営業現場に同行し、経営層が理念を語るなどの実践が求められます。参加企業は、アスクルや湖池屋など多岐にわたります。次回の研究会は2025年12月に開催予定です。人的資本経営の成功に向けて、質の高い情報発信と意見交換の場が今後も確保されることでしょう。