健康と経営を考える会第33回定例会の開催報告
2023年9月4日、水曜日に「健康と経営を考える会」の第33回定例会が開催されました。本イベントは会員の参加者が集まる形で、文京区の同友会ビル会議室を会場にし、オンラインでも同時配信されました。今回は「健康経営」の重要性や課題について具体的に議論が行われ、特に女性の瘦せ症や健康保険組合の重症化予防対策に焦点が当てられました。
講演内容
今回の定例会では、以下の4名が講演を行いました。
- - 株式会社ミナケア代表取締役社長 山本氏
- - 順天堂大学大学院・田村教授
- - Basical Health株式会社代表取締役社長 佐藤氏
- - 内田洋行健康保険組合・眞野保健師
健康投資WGからの報告
まず、山本氏が「健康経営度調査」の2024年度に向けた主な変更点を説明しました。特に「健康経営の可視化と質の向上」、「新たなマーケットの創出」、「社会浸透の促進」が強調されました。特に、健診結果やライフログデータを用いた可視化が新たな調査項目に加わり、経営者の巻き込みが重要であるとの見解が示されました。これにより、企業全体での健康経営の指標が明確化され、各種施策の評価がしやすくなることが期待されています。
女性の瘦せ症の現状とリスク
次に、田村教授から「女性の瘦せ症」に関する講演がなされ、特に日本における女性のスリム志向がもたらす健康リスクについて詳しく語られました。2020年代では、多くの若い女性がBMI18.5以下であり、この層は糖尿病や骨減少症などのリスクにさらされています。田村教授は、社会的なプレッシャーが女性の痩せたい意識を過剰に高めていること、そしてこれが健康に与える悪影響について警鐘を鳴らしました。特に、月経不順や不妊といった生理的リスクが深刻であると指摘しました。
重症化予防対策
続いて、佐藤氏が自社の重症化予防の考え方について話しました。日本全体での医療費の増大を背景に、企業での健康施策の必要性が叫ばれる中、特にメタボ対策や糖尿病治療への介入が強化されるべきだと強調。この分野における実際の取り組みや成功事例も共有され、参加者たちの意識を一層高める内容となりました。
最後に、眞野保健師から内田洋行健康保険組合の実績が紹介され、高い健診受診率やデータを基にした健康管理システムの効果について説明されました。このような取り組みは、今後の健康経営をより実効性あるものに進化させるでしょう。
結論
定例会を通じ、健康経営の確立が企業の生産性にどれだけ影響するかの具体例が示され、今後の課題も浮き彫りになりました。参加者は、健康経営を実現するためには企業、医療従事者、行政、労組の連携が欠かせないことを改めて認識させられる貴重な機会となりました。