東京湾のフナムシ
2026-02-25 09:23:28

東京湾のフナムシ研究:都市夜間光が沿岸生態系に与える影響を探る

研究背景


近年、都市化に伴う夜間の人工照明(ALAN)の増加が問題視されています。特に動物の生態や行動に与える影響は多くの研究で報告されていますが、その長期的な影響が生物の分布や適応にどのようにかかわるかについてはまだ十分に解明されていません。沿岸生態系は人間の活動による影響を特に受けやすい場所で、都市部の海岸では護岸や消波ブロックなどの人工構造物の建設が行われており、自然環境の変化が生態系にどのように影響しているのかを理解することが急務です。

本研究では、千葉大学の国際高等研究基幹に所属する佐藤大気特任助教のチームが、東京湾に生息するフナムシ類の行動や分布に対する都市部の夜間人工光の影響を調査しました。

研究の目的と方法


研究チームは、東京湾全域を対象にフィールド調査、遺伝的解析、室内実験を行いました。その結果、内湾部と外湾部で生息するフナムシの種が異なり、各種の分布に夜間の人工光強度が強く関係していることが明らかになりました。特に、内湾部ではアオホシフナムシが優勢でしたが、外湾部ではフタマタフナムシが主要種として見られました。

さらに、生育時の夜間人工光曝露が生存率や活動リズムにどのように影響を与えるかを室内実験で明らかにし、その結果、内湾部に生息する種では影響が小さく、外湾部に住む種では影響が強いことが判明しました。これは、各種が都市環境に対してどのように適応しているのかを示す重要な発見です。

研究成果の意義


本研究の成果は、都市化の進展に伴う生態系の変化についての洞察を提供します。特に、夜間の人工灯が沿岸生物に与える影響が短期的だけでなく、長期的な生理特性にも及ぶ可能性があることは、都市計画や生態系保護において重要な考慮点です。

さらに、この研究はフナムシの種間の違いが形成する生態的なダイナミクスを示しており、生物多様性の保全に向けた対策が求められています。

今後の展望


佐藤助教は、将来的には夜間光の影響に関するさらに細かな行動実験や遺伝子発現解析を進めていく考えです。この研究が人間の生活に影響を与える「ちょうどよい」照明のあり方を見直すきっかけになることを願っています。都市の利便性と自然環境の調和を詳しく考えていくことが、今後の大きな課題となるでしょう。


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会社情報

会社名
国立大学法人千葉大学
住所
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
電話番号
043-251-1111

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