麩柳商店の挑戦
2025-09-03 10:06:24

148年の歴史を持つ麩柳商店が挑む生麩の未来とサステナブル経営

148年の歴史を持つ麩柳商店が挑む生麩の未来とサステナブル経営



名古屋市に位置する有限会社麩柳商店は、1877年に創業し、148年の歴史を誇る老舗の生麩製造業者です。その伝統を大切にしながらも、現代のライフスタイルに合う新たな取り組みを行っています。2014年から2025年2月にかけて、名古屋で行われている「サスティーンナゴヤ」のプログラムに参加し、「伝統と革新」をテーマにしたサステナブルな経営を発信しています。

サスティーンナゴヤ参加の背景



サスティーンナゴヤでは、参加企業が持続可能な経営と社会的価値のあるデザインを実践し、学ぶことが求められます。麩柳商店もこの機会に乗じて、若年層の間での生麩の認知度不足や、古いパッケージデザインの刷新、卸中心からのBtoC展開への転換を図ることを目指しました。このプログラムで、経営戦略とデザインを結びつけることで、持続的な成長を目指しています。

生麩の「伝統と革新」



生麩は、低脂肪・高たんぱくで健康的な日本の伝統食材ですが、その利用は特別な料理用といった消費者の固定観念に縛られています。麩柳商店は、「伝統を守りながら、現代のライフスタイルに合わせた進化」をテーマに掲げ、特に若い世代向けに商品開発を行ってきました。具体的には、生麩をみたらし風にアレンジし、自家製の特製だれを用いたカップ入り商品を開発。食べ歩きやSNS映えを意識して、若者にも魅力的に感じてもらえるよう心掛けています。

商品デザインの刷新



麩柳商店は特に、麩まんじゅうなどのパッケージデザインを大幅に刷新しました。新パッケージでは、商品のわかりやすさを重視し、素材や特徴を明確に伝える工夫をしています。フレーバーを直感的に理解できるカラーパレットを採用し、視覚的な訴求力も向上しました。特に、家庭での料理をイメージしたラベルデザインを採用し、初心者でも手に取りやすい印象を与えることに成功しました。

効果と成果



新しいデザインによる取り組みは成果を上げています。例えば、名古屋百貨店のお中元カタログにスイーツ部門として掲載されるようになり、店頭での購入数は約1.3倍に増加しました。また、Instagramでは「#麩まんじゅう」や「#生麩スイーツ」といったタグの投稿数も顕著に増加し、多くの消費者から情報が見やすく、安心して購入できるとの声も得ています。

サステナブル経営への具体策



実際には、8回の打ち合わせを通じて市場環境の分析や自社の強み・弱みを検討するSWOT分析を行い、将来的なビジネスモデルを構築しました。この中で、BtoC商品開発が単に直販用にとどまらず、さらなるBtoB提案のための技術力の表現や営業ツールとしても機能する必要があることを確認しました。生麩スイーツの魅力を引き出すためのビジュアルやストーリーの向上は、ブランド戦略の核心となるのです。

学びと今後の展望



サスティーンナゴヤを通じての学びは大きなものでした。①デザインは経営の一部であること、②情報のわかりやすさが購買行動を変えること、③サステナブルは付加価値ではなく前提条件であること。この教訓を基に、麩柳商店は『伝統と革新』を融合させ、生麩の可能性をさらに広げていく決意を強くしています。取締役の三輪健一氏は「生麩は私たちの文化の一部であり、その未来を守る使命を再確認しました」と語っています。

会社概要



  • - 会社名: 有限会社麩柳商店
  • - 創業: 1877年(明治10年)
  • - 所在地: 愛知県名古屋市西区那古野1-2-3
  • - 事業内容: 生麩の製造・販売、卸業務、企画開発
  • - URL: 麩柳商店

本件に関するお問い合わせ先は、有限会社麩柳商店の新井智久まで。E-mail: [email protected]


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会社情報

会社名
有限会社麩柳商店
住所
愛知県名古屋市西区那古野1-2-3
電話番号
052-551-1960

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