作業動画からマニュアルを自動生成する新しい技術
株式会社renue(代表:山本悠介)は、工場での作業動画を利用し、作業者の動きをAIが解析してマニュアルを自動作成する革新的なアプリを開発しました。このアプリは、本番環境での実証を経て、現場での導入が期待されています。特に、自動化が進む中でのマニュアル作成は大きな課題となっていますが、これを解決する一助となるでしょう。
工場の自動化を支える新たな取り組み
工場の自動化を進めるためには、まず現場での作業が正確に文書化されていることが不可欠です。このアプリは、作業動画を取り込むことで、何が確認できているか、何が不足しているかを可視化し、正確なマニュアル作りを支援します。作業者の動きをAIが検知し、手順の下書きを作成。その後、人が確認し、承認する設計になっています。
動画の入力は、Safieカメラの映像やYouTubeの公開URL、ローカルファイルなど、三つの経路から行うことができます。AIは手順候補の抽出を行うに過ぎず、最終的な判断は人間が行います。これにより、確認を経ない情報が混入するリスクを軽減しています。
アプリの機能と特徴
本アプリの最大の特徴は、作業動画を基にAIが下書きを生成する点です。映像に映る作業者の動きを解析し、品質管理や構成との整合性を保ちながらマニュアル文書化を進めます。入力された動画は解析され、手順候補が示されることで、作業手順の正確な文書化を支援します。
さらに、出力されるマニュアルには品番や承認者、版などのメタデータが付与され、品質管理が強化されています。たとえば、複数の品種が混在する場合でも、対象品ごとに異なるマニュアルが作成され、文書の混乱を防ぎます。
技能承継の課題と解決策
製造現場では、技能の承継が長年の課題となっています。特に、熟練者の在籍に頼るだけでは、技術が失われるリスクが高まります。また、フィールドでの技能見える化に取り組んでいる事業所は31.2%にとどまっています。このような背景から、renueは映像をマニュアル化するシステムを開発しました。
このアプリは、映像を用いてマニュアルを生成することで、職人の技術を文書化し、後世につなげることを目的としています。現場で記録された映像を基に、AIが手順候補を提案し、人間が確認する仕組みを採用しています。
工場での実証と効果
実証環境では、既存の作業動画からAIが12の手順を正確に生成した実績がありました。これにより、作業標準書のドラフトが発生しましたが、未確認項目が多く残るため、すぐには使用できなかったものの、確実な文書化の第一歩となりました。これまで手作業での文書化作業が中心であった現場において、AIの導入によって大幅な工数削減が期待されています。
今後の展開と可能性
renueは短期的には、ERPやMESとの照合機能の追加を目指しており、工程別BOMの確認もこのアプリ内で完結するよう進化させていく予定です。未来には、さらに安定した入稿体験を提供し、製造業の各部門への展開を図っていきます。
このアプリは、AIが出した手順を人が確認することで、生成AIのリスクを軽減しつつ、技能の「見える化」を進める新たな試みとなります。さらに、本アプリを通じて得られる知見は、製造業へのAIコンサルティングにも活用されることでしょう。
まとめ
株式会社renueが開発した作業者の動きをAIが検知してマニュアルを自動生成するアプリは、業界に新たな風を吹き込むことが期待されています。作業の映像を基にした文書化が進むことで、技能の承継や品質管理の向上に寄与するこの技術について、今後の展開に目が離せません。