九谷焼の大型陶板作品が小松に登場
2023年10月23日、新しい複合ビル「ウレシャス小松」が石川県小松市の小松駅東地区にオープンします。その入居施設内でお披露目されるのが、南加賀地方の伝統工芸、九谷焼の陶工である四代「徳田八十吉」が手掛けた初めての大型陶板作品です。本作品は、徳田八十吉襲名15周年を祝う特別な瞬間となっています。
大型陶板作品の魅力
この陶板作品は、徳田八十吉の代表作である「瑞穂」と「猩々」をモチーフにしたもので、ホワイエには高さ3メートル、幅80センチの陶板柱が2点、こまつ北電ホールには高さ5メートル、幅90センチの陶板柱が1点設置されます。「瑞穂」は豊かな稲穂の姿を描き、「猩々」は能の演目からインスパイアを受けたデザイン。特に「猩々」は、その美しい色合いと緻密な表現が見どころです。
福井県の大塚オーミ陶業株式会社との共同制作により、彩色の濃淡やグラデーションにこだわり、何度も意見を交わしながら完成を目指したこのプロジェクトは、作品の質の高さを象徴しています。大塚オーミ陶業の代表取締役社長、大杉栄嗣氏も「このプロジェクトは新たな挑戦だった」と語り、その完成度に満足の意を示しています。
地域文化と作品への思い
徳田八十吉自身も制作過程を振り返り、職人たちとの試行錯誤の中で「四代らしい陶板が出来上がった」と喜びを表明しました。地方の文化を大切にし、それを身近に感じてもらうことがこの作品の目的でもあるのです。また、完成した陶板が多くの人に親しまれることを願っています。
今後の展望と影響
本作品を通じて、九谷焼の魅力が地域住民や観光客に伝わり、新たな文化交流の場となることが期待されています。大塚オーミ陶業も地域の文化の理解を深める様々な取り組みを続けていくとしています。
施設と作品の詳細
- ホワイエ: 「瑞穂」陶板柱 2点
- こまつ北電ホール: 「猩々」陶板柱 1点
今回の大型陶板は、九谷焼の新たな挑戦と地域文化の発信を象徴する作品として、多くの人に影響を与えることでしょう。地域への愛情と、伝統工芸の美しさを感じさせる力強い作品です。ぜひ、ウレシャス小松に足を運び、その目で新たな九谷焼の世界を体感してみてください。