ヤハタが挑む物流DXの未来、その成果と内製化への道筋
物流システムにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業の生産性を大きく向上させる可能性を秘めています。その先駆けとなっているのが、株式会社ヤハタです。創業97年を迎える同社は、締結部品を中心にしたグローバルな供給ネットワークを持ち、現在、物流業務の効率化を図るためにAGV(無人搬送ロボット)とWMS(倉庫管理システム)を連携させ、入出庫業務の生産性を従来の150%に引き上げる成果を挙げています。
AGVとWMSの連携による生産性の向上
ヤハタは、これまで倉庫の分散と集約を繰り返し、商品の取扱いや物流の流れに応じて変革を続けてきました。しかし、変化の激しい現場において、従来の固定的な設備やパッケージシステムでは柔軟な対応が難しく、業務の効率化には限界がありました。そんな課題を克服するために選ばれたのが、AGVを活用した新しい物流システムでした。
このシステムは、夜間に自動で棚を移動し翌朝には作業しやすい環境を整えるというオペレーションを実現しました。これにより、作業者が倉庫内を徘徊する必要がなくなり、業務の効率化と作業負荷の軽減が図られました。さらに、入出庫業務の生産性は150%向上し、在庫差異もほぼゼロへと改善されました。これにより、ヤハタの物流部門は企業全体の競争力を支える重要な役割を果たすようになりました。
内製化を進める理由
ヤハタはAGV導入の際、大手ベンダーの製品を検討しましたが、導入後の「変えにくさ」が問題として浮上しました。物流現場で日々生まれる改善点への迅速な対応が難しく、改善アイデアをシステムに反映するためには常に外部ベンダーに依頼をし続けなければならなかったのです。
そこで選ばれたのが、株式会社オンザリンクスのWMS「INTER-STOCK」です。このシステムはソースコードが公開され、内製化支援も行っているため、企業は自社でそのシステムを育て、業務の変化に迅速に対応できるようになります。こうした施策によって、ヤハタはシステムを「ベンダーのもの」から「自社の競争力」へと変えることに成功しました。
成果と新たな挑戦
新しい物流システムの導入によってヤハタは目覚ましい成果を収めています。入出庫業務の生産性は150%に達し、作業者の負担も軽減されています。また、物流現場そのものへの評価も高まり、多くの企業が見学に訪れるようになりました。物流部門が企業の主役として活躍する姿は、他の中小企業にとっての模範となることでしょう。
西日本営業本部の塚由本部長は、「物流部に光が当たり、自分たちで改善し、競争力を高める意識が生まれてきた」と語ります。この意識の変革が、さらなる成果を生むことを期待しています。
2030年へ向けたビジョン
ヤハタは今回の成功を基に、今後は国内外の拠点への展開とシステムの内製化を進め、自社の物流DXをさらに深化させる方針を示しています。創立100周年を迎える2030年に向けて、継続的な改善を行いながら「自ら育てる力」を持つ企業に進化していくことを目指しています。オンザリンクスも、システム提供に留まらず、企業が自らDXを推進できる土壌作りをサポートし続け、日本の物流業界における革新に寄与することでしょう。
このように、ヤハタの物流DXの取り組みは、単なるシステム導入で終わらず、企業の競争力を支える重要な要素として、更なる発展を目指して邁進しています。