日本電子株式会社が、2024年7月28日より新たに展開するショットキー電界放出形走査電子顕微鏡、JSM-IT810を発表しました。この製品は、自動化技術を駆使し、装置の調整から観察、分析に至るまで、業務の効率を大幅に向上させる能力を持っています。
製品の背景と重要性
科学技術の進展に伴い、各分野で観察と分析を行うための電子顕微鏡の需要が高まっています。特に、研究機関や大学、産業界においては、高精度かつ迅速な分析が求められています。JSM-IT810は、こうしたニーズに応えるために設計されており、次世代型電子光学制御システム“Neo Engine”を搭載しています。
特徴的な機能
JSM-IT810の大きな特徴は、いくつかの自動化機能です。具体的には、以下のような機能が搭載されています。
1.
自動観察分析機能“Neo Action”
この機能により、観察条件と視野を選定後、自動でSEM観察とエネルギー分散X線分光法(EDS)分析を実施します。これによって、分析業務にかかるルーティン作業を大幅に効率化できます。
2.
自動校正機能“SEM自動調整パッケージ”
各種調整作業を自動で実行できるため、アライメントや倍率、EDSエネルギー校正が簡便に行えます。
3.
“Live機能”
3D画像をリアルタイムで生成し、観察を行いながら凹凸や深さの情報を取得できます。また、元素のマッピングや特性X線スペクトルも常時表示されるため、視覚的に分析可能です。
4.
EDSインテグレーション
SEM観察とEDS分析を統合しており、観察画面上から直接分析が行えるので、より直感的な操作が可能です。新たに搭載されたWindowless EDSのGather-Xにより、より高感度かつ高空間分解能での分析が出来ます。
市場投入と価格
本モデルの本体価格は税込83,300,000円からスタートし、年間220台の販売を予定しています。この新型顕微鏡は、科学技術の進化とともに、長期的な産業の発展に寄与するものとして期待されています。
日本電子株式会社は1949年に設立され、電子光学機器や計測検査機器の製造と販売を行ってきました。最新技術を駆使した製品力で、業界内での地位を確立しています。詳細な情報は公式ウェブサイトにてご確認ください。
このように、JSM-IT810は現代の科学技術において重要な役割を果たすことが見込まれており、多くの研究者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。