北海道十勝地域で育まれた独自の乳酸菌を使用した新しいヨーグルトが、このたび「令和6年度北海道地方発明表彰」の発明協会会長賞を受賞しました。株式会社明治が開発したこのヨーグルトは、十勝産生乳の豊かな風味を最大限に生かした特長を持っています。
受賞の背景と発明の詳細
本ヨーグルトは北海道十勝地方の生乳由来の乳酸菌を使用して製造されており、具体的にはLactobacillus delbrueckii subsp. lactis OLL204989株とStreptococcus thermophilus OLS4496株を掛け合わせた"十勝ミルク乳酸菌TM96"によって発酵していることが特徴です。この技術によって生まれるヨーグルトは、通常のヨーグルトに見られる酸味が少なく、まさにミルク本来の味わいを楽しむことができます。
風土が育んだ独特な風味
十勝の土地柄、独自に育まれた遺伝的特徴を持つ乳酸菌群により、このヨーグルトはブルガリア菌を使用した一般的なヨーグルトとは一線を画しています。具体的には、アセトアルデヒドの生成が少なく、軽やかな酸味でミルクの濃厚さが引き立つため、多くの人々に愛されています。
食品ロス削減にも寄与
さらに注目すべき点は、保存中に発酵による酸味が上昇しにくい特性により、賞味期限を通常の15~20日から30日以上に延ばせることです。これにより、食品ロスの削減に貢献している点が高く評価される結果となりました。
地域振興への取り組み
今回の受賞によって、明治は自社の研究成果を地域の他の事業者にも無償で提供する方針を明らかにしました。これにより、十勝地域の農産物や乳製品の付加価値を高め、より多くの消費者に届く商品となります。地域振興、地域の特産品のブランド力向上が期待されています。
地方発明表彰について
地方発明表彰は、大正10年に始まり、実施された優れた発明やアイデアを持つ技術者や研究者を顕彰する目的で設立されました。全国8地域で実施され、特に地域の発展に寄与する発明が表彰されています。
この十勝産乳酸菌を使用したヨーグルトは、その味わいの良さだけでなく、地域の振興にも寄与する点で、今後も多くの注目を集めることでしょう。明治の技術革新による美味しさが、広く認められた瞬間でもありました。これからもその動向に期待が寄せられています。