北九州市が描く新たな地域コミュニティの未来
北九州市では、地域コミュニティの未来を見据えた「地域コミュニティビジョン(素案)」をまとめ、これを地域の発展に活かす取り組みを始めました。令和8年度を「地域コミュニティ創成元年」と位置づけ、地域住民の意見を反映させた施策を実行に移すことが約束されています。
「課題先進都市」としての挑戦
北九州市は歴史の中で自助・共助の精神が根付いており、公害の克服や安全・安心なまちづくりに取り組んできました。その結果、地域住民が協力しながらまちづくりを進めるための基盤が築かれてきたのです。その特色を生かしながら、日本の人口減少社会において新しい価値観を提案し続けることが北九州市の使命です。これも「日本の100分の1モデル」と呼ばれる理由の一つです。
地域団体の声を集めるプロセス
「地域コミュニティビジョン」の策定にあたっては、地域の様々な主体と多くの議論が行われました。企業、大学、NPO、さらには若者や地域住民を含む参加者が集まり、意見交換が行われました。また、地域団体へのヒアリングを延べ140回以上実施し、子育て世代を中心に約6,000人からのアンケートを集め、地域の多様な考えを反映したビジョンの検討が進められました。
目指すべき将来像
最終的に、北九州市は「共助が働きやすいまち(Mutual City)」という未来の姿を描いています。利他の精神が息づくサステナブルな地域を目指す中で、共助が機能するための基盤として地域コミュニティの強化が求められています。このような施策により、住民が参加しやすく、支え合うことができる柔軟な地域作りを進めて行こうとしています。
リ・デザインの視点
北九州市は地域コミュニティのあり方を「楽しさ」「興味」「やりがい」といった観点から再構築します。これにより、地域活動が義務感ではなく、参加者が自身の役割を実感できるような仕組みを整備していきます。
さらに、多様な主体との協働を進めることで、地域課題に対する解決力の向上も図ります。自律的な運営体制の構築も重要であり、地域で何が求められるのかを自ら見直し、持続可能な地域作りに向けた環境を整えていきます。
令和8年度の具体的な取り組み
令和8年度の取り組みは、次の3つのステップで進める予定です。
Step1: 推進体制の構築
北九州市の庁内に「ビジョン推進本部」を設置し、アドバイザーを招いての助言を受ける体制を整えます。
Step2: 地域の現状・課題の可視化
地域カルテプロジェクトを通じて、ヒアリングによるデータ収集を行うことで、地域の現状や課題を可視化し、新たな地域づくりモデルを構築します。
Step3: 実践プロジェクトの展開
地域の経験を次世代に伝える取り組みや、誰もが気軽に訪れることのできる「居場所(サードプレイス)」の創出を目指します。また、デジタル技術を活用した地域情報の共有や助け合いの仕組みを検討します。
今後の展望と市民への呼びかけ
北九州市は、再生した地域コミュニティの価値を全国に広める「フロントランナー」を目指しており、令和8年度はそのスタート地点となります。市民の意見をより多く反映させるため、パブリックコメントを4月28日から実施予定です。この新たな取り組みについての詳細は、市の公式ウェブサイトでご覧いただけます。
地域の未来を共に考えていくために、ぜひ市民の皆さんの参加をお待ちしております。