日系企業が結集した洪水被災地支援
2023年8月中旬以降、タイ各地で発生した洪水が北部の人々に深刻な影響をもたらしました。土砂崩れにより多くの命が奪われ、壊滅的な状況下において、住民は家を失い、生活基盤は脅かされています。水が引いた後でも、復興の道のりは長く、未だ多くの人々が困難な生活を強いられています。
そんな困難な状況の中、多くの在タイの日系企業が支援に動き出しました。バンコク日本人商工会議所(JCC)の調査によると、93社のうち約77社が、義援金や物資を通じて合計約3,000万バーツの支援を提供し、さらなる支援を予定していることが分かりました。
企業の取り組み
Mediator Co., Ltd.が運営するメディア「THAIBIZ」は、10月21日から10日間という短期間で、支援企業を募集しました。その結果、豊田通商タイランド、電通総研タイランド、ZENSHOタイランドの3社から合計35万バーツの支援金が集まりました。この金額は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に寄付され、特に今回の洪水で被害を受けたチェンライ県の復興支援に使われます。
贈呈式は2024年11月18日に行われ、在タイ日本国大使館が同席する中、多くの企業関係者が集まりました。贈呈式では、UNHCRの関係者が感謝の意を表した後、彼らの取り組みについても話されました。
UNHCRの取り組み
UNHCRタイランドの民間連携オフィサーであるアルニー氏は、洪水被災地支援への協力の重要性を強調しました。彼は、現在世界には約1億2,000万人の難民がいるとし、タイ国内でも無国籍者や移民が大きな影響を受けていることを伝えました。今回の洪水でも、UNHCRは緊急支援プロジェクトを立ち上げ、被災者に対して食料や衛生キットを提供しました。
さらに、UNHCRは日本企業との連携を強化し、共に国際的な課題解決に取り組みたいと述べました。今回の贈呈式は、日タイ間の企業協力が単なるビジネスの枠を超えて社会貢献につながる好例となりました。
企業の感想
贈呈式では、各企業の代表者も手応えを感じていました。豊田通商タイランドの前田社長は、「このような機会を得られて光栄です。今後もタイ社会に貢献したい」とコメントしました。電通総研タイランドの柄沢社長も「タイでビジネスを展開できるのは皆さんの協力があってこそ。今後も支援に参加したい」と述べ、ZENSHOタイランドの西島社長は、「飢餓と貧困撲滅のために、この機会を感謝している。タイ社会に何かしたい」と伝えました。
まとめ
この贈呈式を通じ、日系企業の社会貢献意識が高まり、今後もタイ社会へ貢献する活動が続くことが期待されます。THAIBIZは引き続き、日タイ企業の架け橋となり、社会貢献活動を推進していく方針です。