難民支援新時代の幕開け
2024年11月28日、東京都渋谷区の国連大学にて、「グローバル・インパクト・ソーシング・コンソーシアム(GISC)」発足を記念するシンポジウムが開催されます。このシンポジウムは、難民や移民に業務委託でデジタル関連の仕事を提供する革新的なアプローチについて議論します。この取り組みは、企業自身の成長と社会貢献を同時に実現するものとして注目を集めています。
インパクト・ソーシングの意義
世界では、約1.2億人が移動を強いられ、その中には日本でも4.5万人もの難民が存在します。彼らは異国の地での定住を目指す過程で、仕事を含む数々の機会から排除されがちです。一方、日本のDX市場では2030年までに79万人の人材不足が懸念されています。このような背景の中、インパクト・ソーシングが持つ可能性は大きいと言えます。
この仕組みでは、日本の企業が難民にIT案件を業務委託することで、彼らにリモートワークでの柔軟な就労機会を提供します。これにより、難民の経済的自立を促進しつつ、日本企業は競争力を向上させることができます。インパクト・ソーシングは、正規雇用に比べて固定費がかからず、経済的な困難の状況下でも実施しやすいという特徴があります。
企業にとっての新たな価値
インパクト・ソーシングの導入は、企業にとっても多くの利点をもたらします。まず、DX人材不足を補完する可能性があります。特に、高度な技術を持つ難民が「突破できるDX人材」として企業に貢献することが期待されます。また、業務委託という形での柔軟な機会は、難民にとっての新しいキャリアパスを切り開く要因ともなります。さらに、企業はコスト削減やリスク回避の面でもメリットを享受でき、企業のCSRやSDGs活動と合致させやすい特徴があります。
当事者の成功事例
ミャンマー出身で、GISCに加盟するRobo Co-opで活動する一人の難民は、日本での移住を実現しました。彼は、現地での不安定な状況の中でもオンラインでのトレーニングを受け、最終的には日本の高度なビザを得ることができました。「Robo Co-opのおかげで、日本で働くという夢が叶いました」。彼のように、インパクト・ソーシングによる柔軟な支援が新たな生き方を提供するのです。
GISCの展望
GISCは、国際的な難民支援の新たな枠組みとして、2023年グローバル難民フォーラムで10億円規模のリスキル基金を設立することを表明しました。すでに多くのデジタルトレーニングが提供され、様々なIT企業が共に連携しています。これにより、難民のDX人材としての育成が推進され、国際社会における日本の役割も再考されることとなります。
参加方法とイベント概要
シンポジウムは、難民支援に興味を持つ企業、政府機関、NGO、そして一般市民にとっても参加しやすい機会です。基調講演やDX人材の支援事例紹介、ネットワーキングセッションなどが予定されています。参加を希望される方は、
こちらのリンクからお申込みが可能です。
イベント詳細
- - 日時: 2024年11月28日(木)16:00-17:20(懇親会 17:30-19:00)
- - 場所: 国連大学 2F レセプション・ホール
- - 主催: 一般社団法人Welcome Japan
Welcome Japanについて
Welcome Japanは、「難民も日本も、皆でたくましく」をパーパスに、難民の受け入れや就労支援などを通じて日本社会の多様性を促進する中間支援組織です。難民包摂に向けた取り組みは、社会全体が協力して実施していくべき重要な課題であり、GISCの活動がその一翼を担うことが期待されます。