若い世代の仕事に対する「やりがい」と「報酬」の重要性
株式会社アイデムが実施した調査によると、仕事に対する価値観は世代によって異なる様子が浮き彫りになった。この調査は、2025年4月に同社の求人サイト『イーアイデム』を通じて求人に応募した会員を対象に行われたもので、2268名のデータをもとに分析が進められた。ここでは、その結果について概要を紹介する。
1. 仕事を通じて感じたい「やりがい」と「モチベーション」
調査結果によると、「本当にやりたいことを続けていきたい」と考える人は36.4%、また「人のためになることや社会に役立つ仕事をしたい」と考える人は34.7%いることが分かった。さらに「新しい技術や知識を身に付けることで自己成長したい」と回答した人は28.9%に達している。このように、若い世代ほど「やりがい」や「モチベーション」を重視していることがわかる。特に30代以下の世代では、これらの項目に対する関心が高く、年代が上がるにつれてこの意識が薄れていく傾向が見られる。
2. 仕事の「モチベーション」が低下する要因
一方、仕事の「モチベーション」が低下する要因として最も多く挙がったのは「仕事内容に報酬が見合っていない」とする32.9%の意見。続いて「自分にとってはやりたくない仕事が任される」という回答が19.2%、さらには「学んできた技術や知識が活かせていない」とする意見が18.1%という結果であった。特に50代の世代においては、「仕事内容と報酬の不一致」が他の年代よりも顕著に感じられているようで、この年代で管理職の人が多くなることも影響していると考えられる。
3. 求人に応募した理由
求人に応募した理由を見てみると、パートやアルバイト希望の人では「自宅から通いやすい」という理由が50.3%と最も多く、次いで「希望の勤務時間数・日数が選べるから」が40.6%という意見だった。また、正社員希望者は「希望する仕事内容だから」が44.0%、次いで「自宅から通いやすい」が36.3%が挙げられた。この結果から、勤務地のアクセスの良さが多くの応募者にとって重要であることがわかる。
4. 男女による意見の違い
男女による応募理由の違いも明確化された。男性は「自宅から通いやすい」という点を重視し、その傾向が女性よりも若干高かった。一方で、女性は「扶養の範囲内で働ける」理由を挙げた割合が高く、また「希望する仕事内容」が重視されているという結果も出ている。特に、自分が知っている会社への安心感からくる応募しやすさも女性にとっては要因となっていると考えられる。
5. 調査担当者のコメント
調査担当者は仕事への「やりがい」や「モチベーション」を理解することで、企業はターゲットに応じた求人情報の作成が可能になると述べている。各世代の価値観を知ることが、求職者と企業とのマッチングを向上させる鍵となるだろう。
結論
この調査から、若い世代が仕事に求めるものは「やりがい」と「報酬」の両面にわたることがわかった。また、報酬の面で不満を抱えると仕事の「モチベーション」が低下する傾向があり、企業はこの点を十分に理解しなければならないだろう。次世代の人材を効果的に企業に引きつけるためには、それぞれの世代に合わせたアプローチが必要不可欠であると言えるだろう。