アイリッシュウイスキーブランド「バスカー」は、マーケティング戦略で新たな飲用シーンを発見するため、アライドアーキテクツ株式会社のデータプラットフォーム「Kaname.ax」を導入しました。ウィスク・イーが代理店を務めるこのブランドは、2016年に設立され、2021年に日本市場に登場しました。バスカーは、バーボン樽、シェリー樽、マルサラワイン樽の3種類を使用した独特な製法で知られ、華やかなフルーツアロマが特徴です。
従来、ウィスク・イーはマーケティング活動を従来型中心に実施していましたが、売上の拡大を目指しウェブマーケティングに本格的に着手しました。特にSNSを活用して、より多くの顧客にブランド認知を広げることに注力。顧客の意見を収集する手法は導入していましたが、十分に活用することができず、顧客の生活者インサイトを掘り起こすためにCEPsリスニングを実施することに決まりました。
CEPsリスニングの結果、生活者の飲用傾向に関する意外な発見がありました。ウィスク・イーが「ハイボール」での飲用を推奨していたにもかかわらず、実際の消費者は「ハイボール」と言わずにバスカーを楽しんでいることがわかりました。また、パーティーやバーベキューなど特定のシーンでの飲用を想定していましたが、実際には言及されることが少ないと判明。同社はこの結果に驚きながらも、ブランドの新たな可能性に気づくことができました。
この発見を基に、ウィスク・イーはアライドアーキテクツの支援を受け、新たな形でのInstagramリール動画を制作しました。「帰宅したら夫がバーテンダーをやっていた」という印象的な設定を用い、視聴者にとって共感を呼び起こす内容となりました。動画では「こんなフルーティーなウイスキーがあったんだ!」というキャッチフレーズが付けられ、普通のSNS投稿では1万回程度の再生であった過去と比べ、50万回以上の再生を記録しました。多くのコメントも寄せられ、特に新たな層からの反響があったことに関しては、マーケティングチームにとって大きな励みとなりました。
ウィスク・イーの担当者は、これまでの従来型のアプローチから脱却し、一般消費者に適したコンテンツを提案されたことで、驚きと喜びを感じていました。それにより、ブランドの訴求価値を効果的に伝えることができ、新しい顧客との接点を築くことができました。これからも、さらなるデジタルマーケティングの進化が期待されます。
CEPsリスニングは、SNSや日本のECレビューから顧客の声を分析し、マーケティング施策のヒントを導く手法ですが、このサービスの特許は現在申請中です。「Kaname.ax」は、顧客の声から重要なインサイトを抽出し、企業のマーケティング戦略を強化するための基盤を提供します。これにより、マーケティング活動における新しいアプローチが期待されています。ウィスク・イーとアライドアーキテクツが共に取り組んだプロジェクトは、ブランドにとって新たな成功の道を切り開くきっかけとなりました。