貝印の新プロジェクト
2026-08-07 12:08:12

貝印が医療向け自動調理器の実証実験を開始:新しい食文化の創造へ

貝印が新たに挑戦する自動調理器の実証実験



2026年9月から、グローバル刃物メーカーの貝印株式会社が医療福祉施設と連携し、嚥下障害を持つ方々向けの新しい食形態「まとまりマッシュ食」を手軽に調理できる自動調理器の実証実験を開始することが決まりました。このプロジェクトは、公益財団法人ふじのくに医療城下町推進機構、社会福祉法人小羊学園「つばさ静岡」、アポロメーカー株式会社との協力によって進められます。

嚥下障害のための食文化の革命



日本では、嚥下障害を持つ多くの方々が、これまでペースト食を食べることが多かったのですが、その見た目や食感、味に課題がありました。「まとまりマッシュ食」は、従来のペースト食と普通食の中間に位置し、舌や歯ぐきで押しつぶせる柔らかな食事を実現します。

この食形態は、焼き魚や肉などのパサつきがちな食材を粘性のある素材と結び付け、嚥下しやすい形にまとめることが可能です。調理者はトロミ剤や水を使用する必要がなく、食材の持ち味を損なうことなく、安全に食事を楽しむことができます。

調理器開発の背景と目的



貝印の自動調理器開発のきっかけは、医療現場からの要望でした。小羊学園の淺野一恵医師が、「まとまりマッシュ食をより簡単に調理できる機器があれば」と提案したことから始まります。

このプロジェクトでは、医療・介護従事者の意見も取り入れ、調理の品質や操作性、実用性を検証します。介護食への適正化促進を目指したこの取り組みは、摂食嚥下リハビリテーションの専門家との連携も図りながら、将来的な家庭向け製品の開発も視野に入れています。

医療・介護現場の現状と課題



医療・介護施設では、利用者の食事の選択肢を増やすことが大切ですが、安全性と喜びを両立させることに難しさがあります。加えて、栄養を摂るだけでなく、食事は楽しむ時間でもあるという認識が徐々に広まってきています。

このような背景の中、「まとまりマッシュ食」の実現により、これまで困難だった食事の楽しみを提供することが期待されています。調理器の導入は、調理負担を軽減し、ホスト側の負担を軽減するだけでなく、食事を楽しむ側にとっても満足感を向上させる要素となるでしょう。

産官学の連携で進める革新



このプロジェクトは、公益財団法人静岡県産業振興財団が主導する「医療機器産業基盤強化推進事業助成金」にも採択されており、社会的意義と実現可能性が期待されています。貝印は、自社の技術を駆使して、調理器具ブランド「SELECT100®」に代表される電動回転技術を使用。これにより、安定した品質の「まとまりマッシュ食」を自動で作れることを目指しています。

実証実験の開始と今後の展望



2026年9月から、複数の医療・福祉施設で本格的な実証実験が始まります。食事を楽しむ方と調理を担当する方の声をもとに、様々な運用上の課題を検証し、より使いやすい製品の開発を進めていきます。この実証と研究が進むことによって、最終的には家庭でも手軽に「まとまりマッシュ食」を楽しめるようになることが期待されています。

摂食嚥下への理解促進



淺野医師は「食事は栄養の摂取だけでなく、生活の質や楽しみにも関わる重要な要素」と語り、「まとまりマッシュ食」を簡単で安定して作れる技術の開発を進めていくことで、医療・介護現場での選択肢を増やすことを目指しています。

貝印は、今後も医療・介護分野と連携し、「食」を楽しめる社会の実現に向けた取り組みを続けていく覚悟です。凡その知見は専門の学会にも発表し、広く社会実装を目指していきます。


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会社情報

会社名
貝印株式会社
住所
東京都千代田区岩本町3-9-5
電話番号
0120-016-410

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