コンガテック、新型ハイパフォーマンスCOM-HPCモジュールを発表
2025年1月7日、ドイツにて、コンガテック(congatec)から新しいCOM-HPCモジュールが発表されました。このモジュールは、特にエッジコンピューティングやインフラストラクチャに最適化されており、高い性能を要求するリアルタイムアプリケーション向けに設計されています。
新たに追加された「conga-HPC/cBLS」モジュールは、IntelのCore Sプロセッサー(コードネームBartlett Lake-S)を基にしており、最大16個の高効率コア(Eコア)と最大8個のパフォーマンスコア(Pコア)を搭載しています。そのため、最大32スレッドが同時に処理可能で、マルチコアおよびマルチスレッドに特化した設計がされているのです。これにより、特に医療イメージングや試験・計測テクノロジー、テレコミュニケーション、ネットワーク、エネルギー管理などの幅広い業界での使用が見込まれています。
この新しいコンセプトのCOM-HPC、特にClient Size C(120x160 mm)モジュールは、高容量キャッシュや大きなメモリー容量、さらに高帯域幅を兼ね備え、高精度なアプリケーションに必要な処理能力を発揮します。また、交通監視カメラや光学検査等の自動化アプリケーションにおいても、その強化されたパフォーマンスが役立ちます。
業界を変革するモジュール
「conga-HPC/cBLS」モジュールは、特にワークロードのインテグレーションを重視した設計が特徴で、ファームウェアにはハイパーバイザーが取り込まれています。これにより、システム統合が容易になり、従来のマザーボードと比べて高いスケーラビリティを持つことができます。プロセッサーの世代を変更しても簡単にモジュールを交換できるため、大幅な設計変更の必要がないのも利点のひとつです。
コンガテックのシニアプロダクトラインマネージャーであるユルゲン・ユングバウアー氏は、「このモジュールは、AI推論サーバーとしても利用でき、特にエッジアプリケーションにおいて高パフォーマンスと低消費電力を両立しています」と説明しています。これにより、医療技術やオートメーションなど多様な分野での実用化が期待されています。
高度な接続性と効率化
新しいモジュールは、最大42のPCIeレーンを提供し、16レーンのPCIe Gen 5と12レーンのPCIe Gen 4を組み合わせています。また、32の実行ユニットを実装したIntel®グラフィックスを装備し、AIエッジアプリケーションでも優れたAI推論性能を誇ります。特に、データの安全性を重視するアプリケーションに対応したECC機能を持つDDR5-4000メモリーをサポートし、さらなる性能の向上を実現しています。
この新しいCOM-HPC Client Size Cモジュールは、mkdirdのOSであるctrlX OSやUbuntu、RT-Linuxなどがプリインストールされ、すぐに使用可能な状態で提供されます。
アプリケーション開発の加速
コンガテックは、利便性を追求した「aReady.COM」という製品を展開しており、市場投入までの時間を短縮するために、モジュールに顧客アプリケーションを統合で提供。これにより、視覚化のための試験・計測システムや生産セルのリアルタイム制御を実現します。
さらに、コンガテックはアプリケーション開発を簡素化するための様々なサービスを提供しており、自社のCOM-HPC ClientモジュールとMicro-ATXアプリケーションキャリアボードを組み合わせることで、新しいモジュールのメリットを最大限に活用することができます。これらのサービスにより、開発者は迅速に新しいハードウェアをアプリケーションに組み込むことができ、スムーズな技術導入が図られるのです。
まとめ
コンガテックの新しい「conga-HPC/cBLS」モジュールは、エッジコンピューティングにおける高性能なリアルタイムアプリケーション需要に応えるための革新的な解決策です。高度なパフォーマンスと柔軟なモジュールデザインにより、さまざまな分野での実用化が期待され、今後の展開が注目されます。詳細情報はコンガテックの公式サイトをご覧ください。