2025年住宅ローンの利用実態
2025年8月1日、オリコン株式会社は『住宅ローン』に関する調査結果を発表しました。この調査では、4,018人を対象に、契約している住宅ローンの金利タイプや団体信用生命保険(団信)の特約保障の実態を明らかにしています。なかでも、最も注目すべきは、加入した団信の特約保障として「がんに対する保障」が5割以上を占め、約2人に1人がこの保障に加入している点です。
調査の背景
この調査は、オリコンが提供する顧客満足度ランキングの一環として、2025年に行われたもので、実際のサービスを利用している人々の声を反映したものとなっています。調査対象者は、過去3年以内に住宅ローンを新規借入または借り換えを行った20歳から69歳までの全国の個人です。
金利タイプ
調査によると、契約している住宅ローンの金利タイプとして最も多かったのは「変動金利タイプ」で、全体の80.0%を占めています。この数字は、前回の調査からも変わっておらず、利用者からは「変動で低い金利で契約できた」といったポジティブな声が多く寄せられています。相対的に、固定金利タイプを選択した人は少なく、利用者は金利の柔軟性を享受しているようです。
団信特約保障
「がんに対する保障」は52.4%と多くの加入者に受け入れられています。次いで「脳卒中・急性心筋梗塞に対する保障」(29.6%)、生活習慣病(19.8%)が続きます。死亡や高度障害の基本保障を除けば、ほぼ半数の人々ががんの保障を必要としていることが確認され、今後の健康面での不安を裏付けるデータといえるでしょう。
借り換えの理由
借り換えを行った理由として最も多かったのは、「借り換え前の住宅ローンの金利が高かったから」というもので、75.9%がこの理由を挙げています。前年に比べて傾向が強まっていることも特徴的で、金利変動に対する不安が実際の行動に影響を与えているようです。その他の理由としては、「固定金利の期間が終了したから」や「債務内容が充実していなかったから」があり、時代背景や金利動向が影響を与えていることがうかがえます。
住宅ローンの返済期間
返済期間に関するデータでは、「31年~35年」が50.6%を占める結果となりました。特に新築住宅では、注文住宅や建売住宅でこの長期返済を選択する傾向が見逃せません。一方、中古住宅では、比較的短い返済期間を選ぶ人も多く、返済期間設定の違いが住宅の種類による傾向を示しています。
まとめ
オリコンの調査からは、住宅ローン利用者の金利選好、団信への加入理由、借り換えを行った背景など、さまざまな実態が浮かび上がりました。特に、がんに対する保障が高い割合を占めることは、現在の医療環境にも関連していると考えられます。また、金利への不安が高まる中で、返済計画を見直すことが重要であることも浮き彫りとなりました。これらのデータは、今後の住宅市場や金融機関にとって、重要な指標となるでしょう。
詳しい調査内容やランキングについては、
オリコンの公式サイトでご覧いただけます。