新しいOTセキュリティ管理ソリューションの登場
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とインターネットイニシアティブ(IIJ)が手を組み、OT(Operational Technology)システム向けの統合セキュリティ管理ソリューションを開発しました。この新しいソリューションは、製造業におけるサイバーリスクを包括的に低減し、事業の継続性を確保することを目的としています。
1. ソリューションの背景と必要性
製造業は、工場やプラントにおけるセキュリティ対策が非常に重要ですが、多くの企業では基本的な工場ネットワークの可視化が不十分です。特に、COVID-19の影響を受けてリモートアクセスが急増したにもかかわらず、その安全性が十分に確保されていない現実があります。これが新たなセキュリティリスクを生む要因となっています。NTT ComとIIJは、これらの課題に対処するために協力し、OTシステム向けのIDS(侵入検知システム)「OsecT」と、セキュアリモートアクセスソリューション「IIJ Safous」を組み合わせた新しい統合セキュリティ管理ソリューションを提案しました。
2. 本ソリューションの概要と特徴
新たに開発されたこの統合セキュリティ管理ソリューションは、OTシステム向けのIDSとセキュアリモートアクセス機能を一体的に提供する専用機器によって構成されます。ユーザーは、リモートを介してセキュアに制御装置にアクセスでき、また「OsecT」のリモートセンサー機能により、通信データからセキュリティ脅威をリアルタイムで検知、可視化が可能です。
特徴は以下の通りです。
1.
IDS機能の提供
OTシステムの通信を分析し、ネットワークや接続されている端末を可視化します。そして、新しい端末の接続や不正な通信パターンを的確に検知します。
2.
セキュアリモートアクセス機能の提供
リモートで接続するユーザーは、事前に許可されたアプリケーションにのみアクセスできます。また、細かな権限設定や共通パスワードの秘匿、操作履歴の録画保存機能も用意されています。
3.
コストメリット
NTT ComとIIJが積み上げてきたネットワーク技術とセキュリティ技術を駆使し、内製で開発した「OsecT」と「Safous」を同一システムに統合することにより、海外製セキュリティ製品を個別に購入するよりも安価に提供可能です。
3. 提供開始日と今後の展開
本ソリューションは2025年9月1日から国内で販売を開始し、2026年までにASEAN地域への展開を予定しています。NTT ComとIIJは引き続き、互いの技術とサービスを活用して、産業分野でのセキュリティビジネスを強化しつつ、国際的な成長を目指します。
展示情報
本ソリューションは、2025年6月11日から13日に開催される「Interop Tokyo 2025」と、2025年7月9日から11日に開催される「第1回製造業サイバーセキュリティ展[東京]」にて展示予定です。この機会にぜひご覧ください。
セキュリティ対策は、企業の重要な資産を守るために避けて通れない課題です。本ソリューションの導入により、製造現場でのサイバーリスクが顕著に低下し、より安定した事業運営が期待されることでしょう。