BD Fund、AIでせん妄を予測する医療スタートアップ「Delispect」に出資
ヘルスケア及びライフサイエンス分野に特化したインキュベーション型ベンチャーキャピタル、BD Fund株式会社が、AI技術を用いてせん妄を予測する医療機器を開発するDelispect株式会社への出資を発表しました。Delispectは、電子カルテデータを活用し、高齢入院患者の「せん妄」発症リスクを予測するAI医療機器の開発に取り組んでいます。
出資の背景
医師発スタートアップの挑戦
せん妄は高齢者が入院時に頻繁に経験する状態で、転倒や誤嚥、認知機能の低下など重篤な合併症を引き起こす可能性があります。しかし、その兆候は見逃されがちで、予防や早期介入の手法も確立されていないのが現状です。Delispectはこの課題を解決すべく、電子カルテから得られるデータを基にリスク予測アルゴリズムを開発。しかし、この技術は医師自らの経験をもとに生まれたものであり、医療現場の実情に根ざしています。
医療とテクノロジーの融合
Delispectは、医療現場のワークフローに適用可能なプロダクトを目指し、使いやすいユーザーインターフェースとエクスペリエンスの開発にも力を入れています。また、国立がん研究センターなどとの連携を通じて、臨床治療と研究開発の融合を推進し、より実践的な医療実装を実現しています。
BD Fundの支援の意義
BD Fundの代表パートナー、前田祐二郎氏は、Delispectの挑戦について「医療現場での意思決定を、データとテクノロジーに基づいて可視化・体系化する試み」と高く評価しています。特に医師が現場の課題に直面し、自ら解決策を模索する姿勢に対して大きな共感を示しました。彼は、資金提供にとどまらず、様々な面からDelispectの成長を支援する意向を表明しています。
Delispectの未来への視点
Delispectの創業者であり代表取締役の金田賢氏は、BD Fundからの出資を受けることの重要性を強調し、せん妄に関わる患者や医療関係者の負担を軽減するための製品開発に尽力する考えを示しています。また、BD Fundのネットワークや専門知識を活かし、ビジネス面でも支援を受けながら、せん妄のない社会の実現へ向けて着実に歩み続けることを誓いました。
まとめ
AI技術の発展により、医療の現場におけるデータ活用が進んでいます。Delispectの取り組みは、せん妄予測という特定の分野においても新たな展望を開く可能性を秘めています。BD Fundとの連携を通じて、医療技術の革新がどのように進展していくのか、今後の動向に注目が集まります。
Delispect株式会社について
- - 会社名: Delispect株式会社
- - 所在地: 東京都中央区日本橋室町1-11-12 日本橋水野ビル7F
- - 代表者: 金田賢(国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 特任研究員)
- - 設立: 2024年9月
- - 事業内容: AIを用いたせん妄対応支援プログラムの研究・開発
- - URL: https://www.delispect.com
BD Fund株式会社について
- - 会社名: BD Fund株式会社
- - 所在地: 東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズガーデンプラザB 5F
- - 代表者: 前田祐二郎
- - 設立: 2024年
- - 事業内容: 医療・ライフサイエンス領域に特化したインキュベーション型ベンチャーキャピタル
- - URL: https://www.bd-fund.com