AIによる商標登録リスク評価が新たな時代を迎える
株式会社Mycatが提供する商標検索サービス『商標ナビ』に新たに登場した「商標リスクスコア」機能が注目を集めています。これは、社名やブランド名を入力するだけで、商標登録のリスクを100点満点のスコアで評価するもので、事業者にとって心強い味方となることでしょう。なぜなら、商標トラブルの多くは「調べなかった」が原因で発生するからです。驚くべきことに、2023年の商標出願件数は158,792件に上り、年間16万件の出願がある中で、既存の商標と重複するリスクは高まっています。問題が発生するのは、多くの場合事業が軌道に乗り始めた矢先です。名刺やウェブサイトを作成し、広告を出稿してから「この名称は商標登録されており、使用できません」という通知を受け取る場合があります。このような事例は、日本弁理士会の相談事例にも多く見られ、商標権を無視した場合のリスクの大きさを教えてくれます。ブランド名の変更に伴うコストは、看板、印刷物、ウェブサイト、SNSアカウント、顧客への説明など多岐にわたり、その影響は数百万円に及ぶこともあります。
商標リスクスコアの評価システム
この新機能の評価システムは、名称を入力するだけで商標登録に関わるリスクを4つの観点から分析し、総合スコアを算出します。評価基準は以下の通りです。
1.
称呼(読み方)の類似度
入力された名称の読みと、既に登録されている商標の読みを比較します。特許庁の審査基準により、称呼が似ている場合は出願が拒否される可能性があります。
2.
外観(見た目)の類似度
文字の構成や配列が既存の商標と紛らわしいかをチェックします。わずかに違う名称の紛らわしさも考慮され、チェックが行われます。
3.
観念(意味合い)の類似度
名称が持つ意味や概念が既存の商標と重なっていないか評価されます。
4.
区分競合の判定
商標は45の区分に分かれているため、同名でも事業内容が異なれば共存が可能な場合があります。この機能は、事業内容に基づいて関連する区分を自動的に判定します。
スコアの結果に応じたアクション
スコアは80〜100点ならリスクは低く、出願を検討することが可能です。一方、60〜79点の場合は弁理士に相談することが推奨されます。40〜59点では、類似の商標が存在するため名称の変更を考えた方が良いでしょう。そして、0〜39点のスコアは、ほぼ同一の商標が確認されるため、使用を避けるべきです。
活用シーンの紹介
この商標リスクスコア機能は、様々なシーンで活用されます。会社設立前の社名をチェックすることは、リスク回避に役立ちます。また、新商品やサービスを開発する際のネーミングプロセスにおいても複数の候補を比較することで、時間とコストを削減できます。さらには、海外展開を考えている企業にとっても、リスクの低い名称を選定するための有効な手段となるでしょう。
注意事項
ただし、商標の類似性の判断は最終的に特許庁の審査官が行うため、このツールのスコアは出願承認を保証するものではありません。スコアが高い場合でも、出願前に弁理士に相談することが重要です。今後、ロゴ画像のアップロード機能や、各区分ごとの出願トレンド表示なども追加される予定です。
このように、商標登録のリスクを事前に評価できる『商標リスクスコア』機能は、現代のビジネスにおいてますます重要性を増しています。商標の事前調査は、長期的に見てビジネスの成功に貢献することでしょう。