病院換気の重要性
2023-12-12 11:00:02

冬場のCOVID-19対策!病院換気に関するWeb講演会を開催

2023年11月15日(水)にオンラインで開催されたWeb講演会『病院『換気』〜冬場のCOVID-19対策のポイント〜』は、医療や介護施設で勤務する職員を対象に、院内の換気の重要性について深く掘り下げる機会として大変注目を集めました。本開催は、5類感染症への移行後も続く病院でのCOVID-19クラスター発生への対策として、換気の役割を理解し、日常業務で直面する課題を解消するために企画されました。

講演内容では、まず同センター院長の岩崎浩己氏からの開会の挨拶があり、その後感染症内科医長の長崎洋司氏が総合司会として進行を担当しました。

講演の第1部では、小田原美樹氏(感染制御部副部長)が、過去のクラスター経験から得た教訓を共有しました。2021年5月に発生した事例では、換気の不適切が感染の拡大要因の一つだったとされ、スタッフの感染が確認されない一方で、病院内部での換気状況が問題視されました。この事例を受けて、医療機関における適切な換気の必要性が強調されました。

次に、島田智恵氏(国立感染研究所実地症疫学センター 室長)がCOVID-19のエアロゾル感染に関する疫学調査結果を発表しました。特に過去の感染症、この場合はSARSや新型インフルエンザとの比較がなされ、エアロゾルの定義と感染経路について新たな視点が提供されました。

第3部では、長谷川麻子氏(宮城学院女子大学教授)が、病院の空調および換気设备の基本的な仕組みを解説し、換気の重要性について長年の研究に基づく見解を述べました。さらに、空調設備の老朽化や省エネルギーへの配慮がもたらす潜在的リスクについても触れられました。

続いて、林基哉氏(北海道大学工学研究院教授)が介護施設における空調・換気の現状とエアロゾル感染への具体的対策を論じました。特に、CO2濃度計の重要性や換気の適切な方法について、具体的な事例を通して解説が行われました。

最後に、パネルディスカッション形式のQ&Aが設けられ、参加者からの疑問にも講師陣が直接答える貴重な機会となりました。一般市民にとっての空気清浄機の利用法や窓を開けた際の換気効果についても幅広く議論され、参加者は学びを深めました。

この講演会を通じて、医療・介護現場における換気の重要性が再認識され、今後の感染症対策における実践的な知識と情報が得られました。講演の録画は同センターのHPで公開予定で、より多くの方に役立てていただけることでしょう。

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