2020年から国際会計士連盟(IFAC)のボードメンバーを務めている観恒平氏。彼のキャリアは、会計の専門性を深めるための不断の努力と冒険心に満ちています。最新号の『アカウンタンツマガジン76号』では、そんな彼の人生の軌跡と、若手会計士たちへの意見が紹介されています。
觀氏が大学時代、偶然出会った友人との交流が、彼を会計士試験へと導いたのは意外なエピソードです。以来81年には見事試験に合格。管理監査などの実務補習をスタートさせます。そんな中、彼の人生の転機となったのが、海外一人旅です。インドへの旅は、彼に新たな視点と刺激をもたらしました。
帰国後、當時の実務補習先での指導者から外資系企業での勤務を勧められ、三田会計社(現・有限責任監査法人トーマツ)に転職することになります。最初の海外赴任先はイタリアのミラノ。4年間の海外体験を経て東京に戻ると、観氏は多忙な日々を送り、1998年にはパートナーに昇進。その後、再度赴任したニューヨークでは、リーマンショックという大きな経済の波を体験しました。
アメリカから帰国後、観氏はデロイトトーマツグループ内で新設されたボードの初代メンバーとなり、経営のガバナンスを見直す重要な役割を担います。さらに2015年には、有期監査法人トーマツの包括的代表となり、660名の大規模な組織の舵を執る位置に立ちます。この頃から、彼は「日本がグローバルな舞台でどのように存在感を示すか」という問題意識を強く持つようになりました。
60歳を迎え、デロイトを退職した後には、国際会計士連盟のボードメンバーへ就任。135ヵ国以上の会計専門団体との協力を通じて、彼は引き続き会計界に貢献し続けています。インタビューでの言葉「若い世代は躊躇せずグローバルな舞台に飛び込むべき」には、次世代の成長への期待が込められています。
『アカウンタンツマガジン76号』では、觀氏のインタビューと共に、上場企業の経理部門へのインタビューや、次世代を担う監査法人のシニアマネージャーについての記事なども収録されています。会計業界の現状と未来を多角的に捉えた内容となっており、会計士を目指す人々や業界関係者にとって大変興味深い号です。