日本企業のテクノロジーリスク管理と対策の実態調査結果

日本企業のテクノロジーリスク管理と対策の実態調査結果



ホーガン・ロヴェルズが行った調査によると、日本における多くの企業がテクノロジーに関するリスク管理の重要性を再認識しています。特に、新型コロナウイルス感染症の影響で、テクノロジー障害への対策が急務であることが浮き彫りになりました。

調査の概要


調査対象は、550の企業で、年間収益が2億から10億米ドル以上の範囲のさまざまな業種にわたる企業です。調査期間は2020年後半で、法律、経営、情報技術などの担当者が対象となりました。

リスク認識の現状


調査結果によると、日本の企業の40%がテクノロジー障害の防止策を前向きに検討している一方で、十分な対策が施されていると感じている企業はわずか9%にとどまっています。また、サイバー攻撃やデータ漏洩に対する適切な対応策を過去2年間に更新した企業は、わずか18%でした。これはアジア全体の中でも最低水準です。さらに、財務リスクと同等にテクノロジーリスクを重要視している取締役会の割合は11%に過ぎません。

プライバシーと倫理的課題


調査では、プライバシーがテクノロジーの発展において最も重要な規制と倫理的な論点になっていることが明示されています。特に、クラウドテクノロジーに対する投資意欲は高まっており、71%の企業が2022年までにクラウドへの投資を増やすことを目指しています。しかし、29%の企業しかプライバシー専門家を商品開発において初期段階から巻き込んでいないことは、大きなリスクと言えます。

サイバーセキュリティの取り組み


サプライヤーに対してサイバーセキュリティ認証が適切に行われているかを確認する企業は、調査対象の過半数を超えました。これは、他のアジア諸国と比べて厳しい監視体制が取られていることを示します。

テクノロジーの未来


調査によると、56%の企業がテクノロジーを成長戦略上の重要な要素と捉えています。また、39%が新たに合弁会社を設立する意向を示し、54%がM&Aを検討していることが伺えます。テクノロジー企業との連携が経営戦略の一環としてさらに重要になるでしょう。

専門家の見解


ホーガン・ロヴェルズ東京事務所のフレデリック・チェン博士は、企業がテクノロジーリスクを管理するためには、経営陣がリスクの特定や分析に積極的に関与し、法務やプライバシーの専門家との連携が必要であると指摘しています。リスク管理のための準備体制と適切な対策を講じることが、テクノロジーの恩恵を最大限に享受する術であると述べています。

結論


この調査は、テクノロジーの進化に伴うリスクとその管理策が、日本企業にとって避けて通れない課題であることを改めて浮き彫りにしました。今後は、企業がテクノロジーの恩恵を享受しつつ、安全に事業を展開していくための取り組みが求められます。正確な情報収集と専門家との連携を通じて、リスクを軽減するための道筋を探ることが企業の持続的な成長に繋がるでしょう。

会社情報

会社名
ホーガン・ロヴェルズ法律事務所
住所
東京都千代田区霞が関1-4-2大同生命霞が関ビル15階
電話番号
03-5157-8200

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