福岡大学と新出光の共同研究が示したEVスクーターの利便性と都市交通への影響
EVスクーターの可能性を探る研究
福岡大学経済学部の熊谷惇也講師を中心とした研究チームが、九州大学との協力により、株式会社新出光が提供するEVスクーターシェアサービス「ラクすく」のデータ分析を行った。この研究の目的は、EVスクーターが福岡市の交通アクセシビリティと公平性の向上にどのように寄与できるかを探ることである。
研究の背景
近年、持続可能な交通手段としてのEV(電気自動車)やいわゆるシェアリングモビリティの重要性が増している。福岡市においても、交通渋滞や環境問題を克服するために、さまざまな交通手段が模索されている。そこで、EVスクーターの実際の利用データを通じて、その影響を明らかにすることが求められた。
共同研究の成果
研究チームは、西日本最大級のEVスクーターシェアサービスである「ラクすく」から収集された移動データを分析した。その結果、EVスクーターは公共交通機関に比べて移動時間と距離を大幅に短縮できることが判明した。特に、公共交通機関へのアクセスが極めて制限されている低地価地域において、その改善効果が顕著であることが示された。この発見は、多くの市民にとって移動の選択肢が広がることを意味し、より多様な交通体系の構築に寄与する可能性がある。
多地域への応用
本研究で得られた知見は福岡市に限定されるものではなく、他の地域においてもシェアリングモビリティの有用性を検討する際の参考資料として役立つことが期待されている。このような研究は、特に人口密度が高い都市や交通インフラが不十分な地域において、社会全体の交通効率を向上させるための一助となるだろう。
今後の展望
本研究の成果は2025年10月23日付で、交通地理学の国際的な学術誌『Journal of Transport Geography』にオンライン版で公開される予定である。このことにより、国内外の研究者や政策立案者に対して、シェアリングモビリティの普及やその効果についての新たな知見を提供できるだろう。
熊谷惇也講師は、「この研究を通じて、より多くの市民にとってより良い移動手段が提供されることを願っています」と述べており、今後も消費者の期待に応えるための研究を続けていく意志を示した。
お問い合わせ
この研究に関する詳細情報は、福岡大学経済学部の熊谷惇也講師までご連絡ください。電話番号は092-871-6631(代)(内線:4119)です。また、メールでの問い合わせは「j.kumagai.vj★adm.fukuoka-u.ac.jp」にて受け付けています(★を@に変えてください)。
会社情報
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福岡大学
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