ドライバーが建設業務に挑む！関根エンタープライズの新たな試み

埼玉県越谷市を拠点にする関根エンタープライズグループ（SEPG）は、物流運送業として確固たる地位を築いている企業です。この企業は、従来の運送サービスに新たな価値を加えようとしているのです。その中心となるのが、ドライバーによる「建築サポート業務」の開始です。これにより、単なる運搬業務から建築現場における作業支援へと業務がシフトしています。

近年、多くの業界で人材不足が深刻化しており、ドライバー業界も例外ではありません。特に建設業界では、資材の運搬や設置、組み立てなど、現場作業において人手が求められています。関根エンタープライズはこの状況を受け、ドライバーに新しい職務を与えることで、職能を拡大し、より多くの作業を一手に引き受ける体制を構築しています。

新たな建築サポート業務は、令和4年11月上旬より開始され、まずは自社での物流業務を継続する企業を対象にしています。しかし、将来的には一時的な運搬業務にも対応していく考えです。これにより、企業の柔軟なニーズに応えつつ、リソースの有効活用を目指します。

この新しい取り組みの一環として、関根エンタープライズは、ドライバーが必要な知識や技術を習得できるよう、リスキリングプログラムを導入しました。具体的には、社内に設けた『物流魂』という育成機関や、eラーニングシステム『Growth College』を活用し、動画での学習が行われます。動画には、建築資材の取り扱いや工具の使い方、現場での顧客対応の仕方、さらには経営の基本まで幅広くカバーされています。

教育コンテンツには、現場での注意点や3S（整理・整頓・清掃）の作業手順に関する内容も含まれており、実践的な学びが可能です。また、この取り組みはすべての社員にスマートフォンやパソコンを通じてアクセス可能で、必要な知識をタイムリーに学べる環境を整えています。動画視聴後には、グループディスカッションを行い、社員同士の理解を深める機会も設けています。

関根社長は、企業の成長にとって教育が不可欠であるとの考えから、特にドライバーをエッセンシャルワーカーとして位置づけ、彼らの仕事に対する職業観や倫理観の向上の重要性を強調されています。これにより、単に物流業務に従事するだけでなく、建設業務にも携わることで幅広いスキルを身に付けた人材を育成し、企業全体の生産性向上を図っています。

関根エンタープライズによるこの革新的な試みは、ドライバーや建設業にとって、新たな職業の可能性を広げるものだと言えるでしょう。地域の人手不足解消にも貢献することが期待されます。今後の彼らの活動から目が離せません。