『宿命』上映&討論会
2023-07-31 15:34:19

難民と日本の共生を考える映画祭:カザンザキス原作『宿命』上映&討論会

難民と日本の共生を考える映画祭:カザンザキス原作『宿命』上映&討論会



2023年8月5日(土)、東京都日野市の明星大学にて、映画『宿命』(Celui qui doit mourir)の上映会と討論会が開催されました。このイベントは、国際カザンザキス友の会と明星大学国際教育センターが主催し、駐日ギリシャ大使館などが後援するもので、一般社団法人Welcome Japanも支援に名を連ねています。

映画『宿命』は、第一次世界大戦後のギリシャ・トルコ国境の村を舞台に、紛争による難民受入をめぐる悲劇を描いた作品です。ニコス・カザンザキスの小説を原作に、ジュールズ・ダッシン監督が「赤狩り」後、フランスで撮影しました。この映画は、国境や文化の境界を越えざるを得なかった人々の苦悩をリアルに描き出しており、現代社会における難民問題を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

イベント当日は、まずヨルゴス・スタシナキス氏(国際カザンザキス友の会会長)とスティリアノス・フルムディアディス閣下(駐日ギリシャ大使館臨時代理大使)によるビデオメッセージと挨拶で幕を開けました。続いて、明星大学国際教育センター特任講師の吉川弘晃氏による開会の辞があり、映画上映へと進みました。

映画上映後には、マケドニア大学客員研究員である佐藤良樹氏によるZOOM講演「ニコス・カザンザキスと『宿命』」が行われ、カザンザキスの思想や作品世界、そして『宿命』が描かれた歴史的背景について解説されました。

休憩を挟んで、大阪大学の福田耕佑氏と吉川弘晃氏による対談「いま、『宿命』から何が見えるのか?」が行われました。両氏は、映画の内容を踏まえながら、現代日本の難民問題や、多文化共生社会のあり方について活発な議論を展開しました。

最後に、参加者全員による自由討論の時間があり、活発な意見交換が行われました。参加者からは、難民問題への深い理解を示す発言や、具体的な解決策についての提案など、様々な意見が寄せられました。

今回のイベントは、単なる映画上映会にとどまらず、難民問題について深く考える機会となりました。参加者たちは、映画を通して歴史的背景を理解し、現代社会における難民問題の複雑さを認識するとともに、多様な文化が共存する社会のあり方について真剣に議論する貴重な時間を共有しました。

一般社団法人Welcome Japanは、「難民も日本も、みんなでたくましく」というパーパスを掲げ、日本社会における難民の包摂とWell-beingの実現を目指しています。UNHCRとも連携を取りながら、多様な主体との対話を通じて、難民問題解決に向けた取り組みを推進しています。本イベントへの後援を通して、Welcome Japanは、日本社会全体での多様な包摂の拡充を目指しています。

このイベントは、現代社会における国際協力や多文化共生について考える上で、非常に意義深いものでした。今後、このようなイベントがさらに盛んになることで、日本社会全体で難民問題への理解が深まり、より包摂的な社会が実現することを期待しています。

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