丹波篠山の新たなる酒造りの挑戦
丹波篠山市に位置する狩場一酒造が、持続可能な形で日本酒を作る新たなプロジェクト「ミチのムコウ」を立ち上げました。このプロジェクトは、地域住民の協力を得ながら、里山の活性化や地域課題の解決を目指し、百人の手で新しい日本酒の名づけを行うというユニークな試みです。
ミチのムコウの背景
「ミチのムコウ」は、29歳の若き農業者、吉良佳晃氏が中心となり創設されました。吉良氏は、古市地区にUターンし、実家の農業を継ぐ中で地域の抱える問題を深く理解しました。人口減少や獣害の影響が顕著で、人々の希望を持ちづらくなっている現状を目の当たりにし、彼は地域の人々と共に課題に直面する場を作ることを決意します。深い自然に囲まれた古市地区で、理想の持続可能なエコシステムを育む挑戦が始まりました。
狩場一酒造の役割
狩場一酒造は、106年の歴史を持つ地元の酒蔵です。長年地域の人々に愛されてきた日本酒「秀月」を製造し、地域経営の潤いとなってきました。プロジェクトへの参加は、酒造りを通じて地域に恩返しをする道であると感じたからです。
「私たちが造る酒は、地域の人々の支えがあってこそ」と語る酒蔵の代表。彼らは地域社会への感謝を新酒に込め、次世代へと豊かな自然を継承する責任感を持っています。
100人ではぐくむ日本酒の挑戦
現在、狩場一酒造では瓶内二次発酵を用いた発泡性純米酒の製造を計画しています。この取り組みは、近年注目の詰まった新しいスタイルの日本酒を提供することを目指しています。「ミチのムコウ」プロジェクトによって、これまでの日本酒の概念を覆しながら、手作り感と特異な風味を生かした酒造りに挑戦します。
発酵の過程は難易度が高く、どのような仕上がりになるかは未知数ですが、そこに魅力を感じています。細やかな泡や豊かな香りが楽しめる新しい日本酒が期待されています。
今後の展望
「ミチのムコウ」プロジェクトの今後のスケジュールは以下のとおりです。9月初旬にはいよいよ酒米「五百万石」の稲刈りが行われます。その後、酒造りの各工程が進み、12月には新しい日本酒が完成する予定です。これを記念して開催されるお祝いイベントも注目です。
- - 9月初旬: 酒米収穫
- - 9月20日: お酒の予約受付開始
- - 10月初旬: 日本酒の名称決定
- - 11月中旬: お酒の仕込み開始
- - 11月下旬: 酒蔵見学会
- - 12月下旬: 新酒完成、イベント開催
日本酒の新しい魅力が誕生する瞬間が楽しみです。参加者全員が共に歩むこのプロジェクトは、地域に根付いた価値観を持ち、次世代に繋がる新たな文化を創造します。ぜひ、丹波篠山の酒造りの行方にご注目ください。