PROTAC合成の革新
2025-12-18 10:52:40

創薬の未来を変える!PROTAC合成の新手法が登場

新たなPROTAC合成手法が創薬研究に革新をもたらす



近年、創薬分野で注目を集めているのがPROTAC(標的タンパク質分解誘導化合物)です。この技術は、特定のタンパク質を精確に分解できる可能性を秘めたものですが、従来の合成方法は煩雑で工程が多いため、開発が難しい課題がありました。そんな中、東京理科大学先進工学部の吉田優准教授をはじめとした研究チームが、効率的な合成手法を打ち出しました。

研究の概要


研究チームは、3種類の異なる反応部位を有する「三官能性プラットフォーム」を創成し、これを用いて連続的なクリック反応を実施することで、PROTACを迅速に合成する手法を開発しました。この新しい技術は、保護基を必要とせずに、複数の機能性分子を一つの分子に集積できるという特長を持っています。

クリック反応は、分子同士を素早く結合させる手法であり、2022年にはこの概念を確立した科学者がノーベル化学賞を受賞。在庫する必要がないため、化合物の合成が高収率で行えるのが魅力です。今回の研究では、PROTACの合成に対してこの連続クリック反応を適用することで、複雑な工程を避けることに成功しました。

具体的な成果


具体的には、EGFRリガンドとのSuFEx反応によりPROTACの合成に成功。この過程では、アルキン誘導体との反応や、蛍光団を持つチオールとのMichael付加反応を経て、3つの機能性分子がひとつの分子に集積されました。これにより、リガンド部位や物性の調整、さらに疾患に対する薬効の向上が期待されています。

吉田准教授は「私たちの研究によって、PROTACの合成が劇的に効率化され、新薬の開発に貢献できることを期待しています」と自信を見せています。

研究の背景


PROTACは、特定のタンパク質を選択的に分解できる次世代医薬品として注目されています。しかし、これまでの合成手法は煩雑で、時間やコストがかかるという問題がありました。そのため、迅速かつ効率的な合成方法の確立が求められていました。今回の研究は、そのニーズに応える形で実現したもので、多様な官能基との共存が可能なクリック反応を利用し、合成工程の短縮を実現しました。

新たに開発されたPROTAC合成手法により、創薬研究の加速が期待され、今後の医薬品開発に革新がもたらされるでしょう。

研究の結論


本研究は、今後の医薬品開発における大きな一歩となる可能性があります。連続クリック反応という新たな技術により、私たちの健康を守る新薬の創出が加速することを期待しています。さらに、本成果は2025年11月28日に国際学術雑誌「Bulletin of the Chemical Society of Japan」に発表され、広く注目を集めることでしょう。今後の進展から目が離せません。


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