越境学習の注目度が高まる背景
日本の企業で長年続いてきた人材育成のスタイルは、終身雇用を前提にした画一的なOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が主流でした。しかし、ビジネス環境は日々変化し、そのスピードや不確実性が増す中で、変化に柔軟に対応できる多様なアイデアを持つ人材が求められるようになっています。そこで、「越境学習」が注目を集めているのです。
越境学習とは、普段所属している組織(ホーム)と異なる共同体(アウェイ)との行き来を通じて行う学習スタイルのことです。このプロセスを経ることで、学習者はさまざまな文化や価値観に触れ、次のような能力を身に付けることができるとされています。
- - 異なる人々と柔軟に関係を築く能力(ノットワーキング)
- - 多様な価値観やアイデアを取り入れる能力(イノベーション)
これらの能力は、デジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとする組織の変革やイノベーション推進に大きく寄与します。特に、コロナ禍でDX化を推進したいと考えている企業にとって、越境学習は非常に重要な手段となり得ます。
ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会(ノンプロ研)
ノンプログラマーとは、プログラミングを業務の中心にしていないビジネスパーソンを指します。ノンプロ研は、こうしたノンプログラマーのために設立された有料の月額制コミュニティで、現在180人以上の会員が在籍しています。このコミュニティは、学習意欲を持つノンプログラマーにとって、安全で刺激的な学習環境を提供しています。
サービス概要
越境学習の中では、ホームとアウェイを行き来する中で、学習者にとって新たな文化や価値観との摩擦が生じることも考えられます。そこで、一般社団法人ノンプログラマー協会では、企業との連携を通じて学習者を支援し、成功へと導く役割を担うことを目指しています。具体的なプロジェクトの流れとしては、参加者を募り、選定し、ノンプロ研への参加を経て、プロジェクト開始となります。その後は中間報告会や最終報告会を実施し、フィードバックを受けます。
サポート内容には、越境学習の理解促進やマインドセット構築、参加者の選定アドバイス、学習計画の策定支援などが含まれます。これにより、学習者が効果的に新しい知識やスキルを習得し、職場での実践に繋げることが期待されています。
参加企業の声
株式会社ファンテックは、ノンプロ研の学習メソッドに感銘を受け、自社に導入を決めました。社員が「プログラミング」をテーマに新たな挑戦をすることで、社内のコミュニケーションが増加したと報告しています。また、
株式会社フロント・ワークスでは、社員がノンプロ研での熱意を社内文化に持ち込めるよう、越境学習プログラムを活用しています。そして、
イムス富士見総合病院においても、職場環境では得られない学びがあると感じ、協会の支援体制を高く評価しています。
未来への展望
この越境学習プロジェクトを通じて、学習者や組織が変わり、非IT企業のDX化が進むことが期待されています。今後はトライアルを基盤にサービスを改善し、一般受付が可能となるような仕組みを整える計画です。ITスキルを学ぶことが全てのビジネスシーンで重要とされる中、一般社団法人ノンプログラマー協会の活動は益々注目を集めていくことでしょう。