社内申請システムの「隠れコスト」に関する調査結果
サイオステクノロジー株式会社が最近発表した調査は、社内申請・稟議システムを導入している企業の運用責任者や担当者111名を対象に、導入後の運用負荷を詳細に分析したものです。この調査では、従業員100名以上の企業に焦点を当てており、多くの企業が直面している「隠れコスト」に関する実態を浮き彫りにしました。
隠れコストとは?
「隠れコスト」とは、通常、システム導入時には視野に入れにくい追加的な費用や負担を指します。具体的には、初期投資に含まれるライセンスやシステム構築のコストとは異なり、運用段階で発生する費用が該当します。これには、人的コスト、機会損失コスト、さらには追加投資コストも含まれるため、企業にとっては見えづらい負担となっていることが多いのです。
調査の概要
今回の調査で特に驚かされたのは、社内申請・稟議システムの運用者の約81.1%が「導入後の運用負荷が想定より多い」と回答した点です。この結果は、特に導入直後の6ヶ月間において、問い合わせや運用課題が頻繁に発生し、効率的な業務遂行を阻害していることを示しています。
主な調査結果
調査結果を以下にまとめます。
1.
運用負荷の実態:社内申請システム導入直後の運用・管理工数について、81.1%の回答者が「想定より多い」と答えています。
2.
問い合わせの発生件数:導入直後の月平均の問い合わせ件数は「月11〜20件」が最多で、実際に「月31件以上」の問い合わせも見られました。
3.
運用課題の頻発:最も多かった運用課題は「システム設定や運用の複雑さ」で、56.8%がこの問題を報告しました。
4.
課題の理由:運用課題の主な理由としては「設定変更の手順が分かりにくい」が最多で、加えてマニュアルが不十分という声も多くありました。
5.
業務効率の改善:逆に、約9割の企業が社内申請システムを導入後に業務効率が改善したと回答しており、運用の負荷軽減によるメリットも感じています。
経営への影響
調査結果からは、社内申請・稟議システムを導入する際は、初期のコストだけでなく運用段階での負担にもしっかり目を向けるべきだとしており、システム選定の際には操作性の高さやサポート体制の充実が特に重要視されるべきであると考えられます。
まとめ
今回の調査では、8割以上の企業が運用負荷が「想定を上回っている」という実態が確認されました。特に導入直後の運用負荷が顕著であり、システムの設定やマニュアルの充実などが、企業の効率向上には欠かせない要素であることが分かりました。社内申請・稟議システムの導入には、効果的な運用戦略と共に、隠れコストを含めた全体的な視点が求められます。