自律航行の未来を探るエイトノットとE-Force Marineの共同実証
2023年7月31日、株式会社エイトノットと米国のE-Force Marineは、フロリダ州において自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」の共同実証を始めることを発表しました。この取り組みは、海上モビリティの将来を切り開く重要な一歩とされています。
エイトノットは、大阪府堺市に拠点を置く自動運転技術のスタートアップで、独自の技術を駆使して船舶の安全性を高め、運用コストの最適化を図っています。その一環として開発された「エイトノット AI CAPTAIN」は、小型船舶向けの自律航行システムで、10項目を超える高性能センサーとAIを組み合わせることで、周囲の状況をリアルタイムで把握し、最適な航路を選定することが可能です。彼らの目標は、2027年までに北米市場に進出することです。
一方、E-Force Marineはフロリダ州マイアミを拠点に、カスタム設計の電動及びハイブリッド推進システムを提供するスタートアップです。同社は、内燃機関を電動タグに変える「e-craft」ソリューションを通じて、環境への配慮を忘れず、効率的な航行を実現することを目指しています。また、独自の電動推進システム「Aurora E-Drive」は、燃料コストの削減とCO₂排出ゼロを実現するために開発されており、持続可能な海上運行を推進しています。
実証実験の内容
この共同実証において、エイトノットはE-Force Marineの電動ボートにAI CAPTAINを搭載し、フロリダ州の特設実験場でその機能や性能の検証を行います。また、両社のエンジニアチームは、AI CAPTAINの調整や稼働データの収集、実際の使用感に基づくUI/UXの確認を行う予定です。実証期間中には、E-Force Marineの従業員や顧客が試乗し、実際の海上でのニーズと課題を把握することにも重点が置かれています。
この取り組みは、エイトノットにとって北米市場を目指す上での重要な足掛かりとされており、E-Force Marineにとっても自動航行技術と電動推進技術の融合を目指すための貴重な機会となるでしょう。両社は、これを契機にさらに深いパートナーシップ構築に向けた検討を進めていく方針です。
未来への期待
エイトノットとE-Force Marineの共同実証は、自律航行技術を利用した新たな海上モビリティの可能性を示すものであり、マリン業界における変革をもたらす期待が高まっています。さらに、2027年の北米進出を見据えた動きは、国内外の海上産業にとても重要な影響を与えるでしょう。未来の海上交通がどのように進化していくのか、今から目が離せません。今後の続報にぜひご注目ください。