舟の上で体感する八王子の歴史と作家たちのアートの旅
八王子市の中野上町にある「空間堂シェアアトリエ」で、興味深いアート展が開催されます。この会場は、かつて絹織物会社として多くの人々が制作に従事していた歴史的な場所です。一度幕を下ろしたこの建物が、新たに作家たちの作品制作の場として蘇り、まるで「舟」に乗り合わせたような共同作業の場となっています。
アート展の概要
この展示には、5人の異なる作家たちが参加しています。彼らはそれぞれ独自の視点から、この土地の歴史や自然、さらには地域に集まった素材についてアプローチし、その成果を作品として見ることができます。アートとは、いつの時代でも人の手によって継承されてきた「つくる」行為の一部であり、今回はその過程をじっくりと観察し、感じる機会となります。
出展作家たちのプロフィール
- - イ・ヘリム:韓国出身で日本に在住する作家。時間や記憶、そして忘却の感情をテーマに、手漉きの紙を用いた作品を展開。物質としての「時間」を探求し、観る人に深く響く層を持つ紙表現を生み出しています。
- - 小野坂葉子:伝統的な絣織技法を用い、色や形が持つ特有の視覚的効果を探ります。防染された糸によって織り出された文様が、彼女の作品の核となっています。
- - 河﨑日菜子:土着の染織文化を理解しながら、人の手と素材の結びつきを考察。空間堂内のシェアアトリエの立ち上げにも関わり、地域とのつながりを意識した活動を続けています。
- - 鶴見朋世:素材の組み合わせから生まれる表情を探求し、視覚を超えた対話を可視化する作品を手がけます。彼女の作品は、空間の中での詩的な瞬間を捉えています。
- - 松田光二:周囲に存在する古いものや忘れ去られた技術の中に、人との新たな関係性の可能性を見出す造形活動を行っています。空間堂での活動を通じ、若い作家と共に制作を行っています。
アートが流す物語
「舟の上で」というテーマのもと、作家たちの作品はそれぞれの視点からアートと地域の関係を描き出します。八王子の歴史や文化が織り込まれた作品群は、まるで時間を遡る旅のようです。訪れる皆さんには、このアートが呼び起こす記憶や感情を共に体感していただければと思います。
開催詳細
- - 日程: 期間中の金土日祝
- - 時間: 10:00~17:00
- - 会場: 空間堂シェアアトリエ(東京都八王子市中野上町1-26-3)
また、八王子芸術祭2023では、地域の歴史や文化を背景にしたアート作品がさまざまな場所で展示され、来場者に「旅人」としての体験を提供します。この展覧会を通じて、八王子の魅力を再発見することができるでしょう。
お問い合わせ
このイベントに関する詳細は、(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団(042-621-3005)までどうぞ。