CBDC「デジタル・キナ」の成功裏な実証
パプアニューギニア中央銀行は、金融システムの効率とコストの改善を目指し、日本の経済産業省とフィンテック企業ソラミツ株式会社と共同で、中央銀行デジタル通貨 (CBDC) の概念実証を行いました。その成果として、デジタル・キナの概念実証が成功裏に終了したことが、1月28日にポートモレスビーでの記念式典で発表されました。
式典には、両国の要人が集まり、パプアニューギニア中央銀行総裁のエリザベス・ジェニア氏や日本大使の望月寿伸氏などが出席。デジタル・キナの技術的なプレゼンテーションや、金融包摂に対する影響に関する意見交換が行われました。ジェニア総裁はこの概念実証が国内の金融システムにとって重要なステップであると述べ、「デジタル・キナが金融包摂やセキュリティの問題を解決する可能性がある」と強調しました。
記念式典の内容
本イベントでは、特に以下のようなポイントが強調されました。
- - パプアニューギニア中央銀行副総裁のジョージ・アワプ氏がプロジェクトの背景や金融発展の意義について詳しく説明しました。
- - 発表を通じて、日本政府の視点からも協力の重要性が強調されました。
- - ソラミツ・グループCEOの武宮誠氏がデジタル・キナの技術的な基盤についてプレゼンテーションを行い、質疑応答もありました。
デジタル・キナの概念実証には、ソラミツが開発したオープンソースのHyperledger Iroha 2ブロックチェーン技術が使用され、特に安全な決済インフラが整備されました。このインフラにより、即時決済および国際送金が実証され、大きな成功を収めました。ユーザーはモバイルアプリを利用し、リアルタイムでの決済や個人間送金を体験しました。
ソラミツの役割
ソラミツの宮沢和正氏は「日本政府の支援を受け、私たちのブロックチェーン技術が実社会に役立つことに誇りを感じる」とコメント。これにより、24時間稼働可能な決済サービスの構築が実現したことが強調されました。
今後の展望
パプアニューギニア中央銀行は、さらに多くのユーザーを対象に試験運用を拡大する予定で、システムの改善とフィードバック収集が進められる見込みです。次のフェーズではプラットフォームの速度やセキュリティ、規制対応機能が最適化される予定です。
アワプ氏は、「本日の式典は金融取引の未来を示すものであり、デジタル・キナの実現が私たちの金融システムを強固にする第一歩である」とコメントしています。
ソラミツの紹介
ソラミツはデジタル資産管理やID管理におけるブロックチェーン技術の専門家として知られ、革新的なソリューションを提供し続けています。今回のCBDCプロジェクトはその技術力を大いに活かした成功例となりそうです。