フランスの気候テック企業「Nexqt」、日本市場に進出・脱炭素都市開発を加速

フランス発の気候テック「Nexqt」が日本初上陸

フランスで脱炭素都市開発の領域で豊富な経験を持つ気候テック企業Nexqtが、この度日本市場に進出する。一緒に、データ解析を駆使して地域の脱炭素計画を科学的根拠に基づいて支援する企業、DATAFLUCTがパートナーとして参加し、国際的な産学連携体制が整うことになる。

提携の背景と目的

日本国内では、2050年のカーボンニュートラルを目指す動きが加速している。自治体や企業の間で脱炭素化計画が策定されており、特に地域ごとの具体的な対策である「地域脱炭素」が求められている。このため、高度なエネルギー解析やデータシミュレーションによる支援が不可欠だ。

Nexqtは、都市や地域単位での炭素排出量とエネルギー需要を精密にモデリングし、既にフランスや他の欧州諸国で成功を収めている。その手法を日本に導入し、DATAFLUCTはそのローカライズと導入を担うことで、地域社会のニーズに即したサービス提供を目指している。

各社の役割と強み

Nexqt

Nexqtは、フランス・パリに本社を構える企業で、AIを活用したデジタルツインプラットフォームを提供。道路や建物の炭素排出量などをモデル化する技術により、従来の調査よりも高効率で、コスト削減を実現する。欧州各地において導入され、成果を上げてきた実績がある。

DATAFLUCT

日本のDATAFLUCTは、データサイエンスとAIを駆使して、様々な産業に対するデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進している。今回の提携では日本国内におけるNexqtの独占代理店として、地域データとの統合や、導入支援なども手がける。

東北大学小端研

東北大学大学院環境科学研究科の小端研究室では、再生可能エネルギーを基盤とした都市脱炭素化の研究が進められ、Nexqtとの協力により新たな脱炭素モデルの構築を目指している。特に「SolarEV City」構想において、電動化と太陽光を組み合わせた都市の実現を目指す。

Nexqtの独自技術

NexqtはSaaSプラットフォームを通じて、自治体やデベロッパーが策定するカーボンニュートラル計画を支援する。具体的には、都市・地域単位でのエネルギー消費やCO₂排出量を詳細に分析することで、政策の効果をシミュレーション。行動変容や施策の効果を定量的に評価するための情報を提供する。

今後の展望

DATAFLUCTは今後、国内の自治体やデベロッパーに対して営業活動を開始し、プロジェクト化を進めるとともに、Nexqtの技術を広く普及させていく計画だ。すでに、スウェーデンのDoconomy社との成功事例もあり、本提携を通じて先端の気候テックが日本に定着することが期待されている。

持続可能な社会の実現に向け、DATAFLUCTとNexqtの協力は日本の脱炭素化を加速する重要な一手となるだろう。

Nexqt CEO Fouzi Benkhelifaは「日本のカーボンニュートラルへの挑戦の一環に貢献できることを誇りに思っています」とコメントしている。また、DATAFLUCT CEOの久米村隼人も「データを通じて見えないCO₂排出量の課題を可視化していきます」と強い意気込みを語った。