生成AIとログ分析による新しいセキュリティの形とは
2023年7月25日に開催されたオンラインセミナー「生成AI×ログ分析セミナー ~新米エンジニアでもできる! セキュリティリスク分析~」では、生成AIの力を借りて、セキュリティログを簡単に分析できる手法が紹介されました。主催は株式会社セキュアヴェイルの子会社、LogStareです。このセミナーには約40名の参加者が集まり、ITセキュリティに興味がある新米エンジニアたちが熱心に耳を傾けました。
セキュリティ人材の不足という課題
近年、情報セキュリティは企業にとって避けて通れない問題です。しかし、セキュリティ専門家の不足は深刻な社会課題として残っています。専門知識が求められるため、多くの新米エンジニアにとっては敷居が高いのが現状です。そのため、自社でのセキュリティ対策を強化するためには、効率的でアクセス可能な手段が必要とされています。LogStareはその一環として、セキュリティ人材の確保に代わるアプローチとして、生成AIを活用したログ分析の手法を提案しています。
オンラインセミナーの内容
セミナーでは、まず最近の生成AI技術がビジネスの現場にどのように利用されているかといったトピックが紹介されました。最近の調査によると、国内での有償版生成AIツールの利用率はまだ5%にとどまりますが、2023年にはその市場規模が14兆円に達することが予想されています。このような数値から、生成AIはビジネスの世界で急速に広がる可能性があると感じさせられました。
セミナー前半では、生成AIが得意な分野や不得手な分野についても説明があり、生成AIは個人情報や機密情報の取り扱いには向いていないものの、要約や比較などの業務においてはその強みを発揮するという話がありました。これは、生成AIをビジネスに取り入れる際の貴重な指針となります。
デモンストレーション
後半では、LogStareの生成AIを活用した実際のログ分析のデモが行われました。通常、ベテランのセキュリティエンジニアが行うような高度な分析を、生成AIが迅速に行うことができる様子が紹介されました。デモでは、まずベテランエンジニアがログレポートから異常を検出する様子が映し出され、その後、同じログレポートを生成AIに渡し分析させると、ほぼ同様の結果が出てきました。これにより、専門知識がなくても誰もがセキュリティリスクを把握できる可能性が示されたのです。
さらに、昨日と今日のログ比較や、先月と今月の傾向分析なども行われ、これらの活動がいかにしてセキュリティ人材不足を補うかというナビゲーションを提供しました。
今後の展望
オンラインセミナーはアーカイブ配信されており、後からでも内容を利用できるようになっています。また、LogStareの生成AI分析機能は現在ベータ版の開発中であり、2023年10月には正式リリースされる予定です。これにより、より多くの企業がセキュリティ分析を効率的に行えるようになることが期待されています。セキュリティ対策の在り方が進化している中、今後のビジネスシーンにおいて生成AIの存在感はますます増していくことでしょう。
まとめ
何より、このセミナーが示したのは、生成AIを活用することでセキュリティ業界における新たな潮流が生まれ、技術の進化が人材不足という大きな課題への一つの解決策となる可能性があることです。参加者たちは、この新たな手法がどれほど役立つかを実感し、今後の情報セキュリティ戦略に大いなる期待を抱いていることでしょう。