ENEOSと三菱ケミカルのプラスチック油化事業
2023年、ENEOS株式会社と三菱ケミカル株式会社が手を組み、プラスチック油化事業を開始しました。2021年7月に茨城県神栖市の三菱ケミカル茨城事業所での建設が始まり、ついにケミカルリサイクル設備が完成し、2025年7月2日に竣工式が行われました。
このプラスチック油化設備は、今後注目されるリサイクル技術を駆使しています。外部から集めた使用済みプラスチックを英国のMura Technologyの超臨界水熱分解技術で処理し、化学的に分解します。分解によって生成されるリサイクル油は、両社の既存の石油精製やナフサクラッカーでの原料として再利用され、最終的には石油製品や化学製品へと転換されます。このプロセスにより、サーキュラーエコノミーの実現に向けた重要な一歩を踏み出しました。
また、施設はISCC PLUS認証を取得予定で、この認証を元にした製品は環境価値が高く評価されることになります。この動きは、持続可能性を求める消費者にとっても、大いに注目されるポイントです。
ENEOSグループは「今日のあたり前を支え、明日のあたり前をリードする」というスローガンをもとに長期のビジョンを実現すべく、エネルギーと素材の安定供給、さらにはカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。:
一方の三菱ケミカルグループは、「革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードする」という理念のもと、社会のニーズに応え続ける企業を目指しています。そして、企業の成長だけでなく、環境への配慮を忘れない姿勢が、グリーン・スペシャリティ企業への道を開枝折っています。
今後、両社はこのプラスチック油化事業を通じて、カーボンニュートラルや循環型社会を実現するために、エネルギーと素材の両分野でのトランジションに取り組んでいく方針です。環境のためにリサイクルを一層推進することで、持続可能な社会の実現を促進し、未来の地球環境を保つ責任を担うことに注力します。
今回の竣工式には多くの来賓が出席し、地域社会からの支持を受けた新たな事業のスタートを祝いました。これからの取り組みに対する期待感と共に、ENEOSと三菱ケミカルが協力して生み出す未来の姿に注目が集まります。
まとめ
プラスチックの環境問題が話題となる中、ENEOSと三菱ケミカルによるこの油化事業は、重要な解決策になることでしょう。両社の共同の努力が、持続可能な未来の実現に寄与することを願っています。